博報堂が2015年に行ったアジア14都市における日本、韓国、欧米のカルチャー系コンテンツの受容状況についての調査の結果をグラフにした。2010年調査の旧版は図録8053。コンテンツではなく、日本食メニューの受容状態については図録0209j

 取り上げているコンテンツは、マンガ・アニメ、ドラマ、映画、音楽にメイク・ファッションを加えた5種類である。各都市は日本のマンガ・アニメの影響の強さの順に並べてある。また、ソウルの結果からは韓国のコンテンツの値は省いてある。

 マンガ・アニメではアジアの11都市までが日本のものを最もよく見るとしており、もっとも人気が高い。ただし、マレーシアとインドの3都市では欧米のものを最もよく見るとしている。

 ドラマでは8都市が最も好きなドラマとして韓国ドラマをあげている。ドラマの場合は欧米ドラマを最も好む都市も6都市ある。日本のドラマはいずれの都市でも韓国や欧米に及ばない状況である。

 映画と音楽は、やはり、欧米ものの支配力がいずれの都市でも最も強い。ただし、中国の3都市では韓国の音楽を一位にあげており、中国におけるK-POPの人気がうかがえる。

 メイク・ファッションでは、台北が日本、中国4都市、ホーチミン、バンコクが韓国、それ以外が欧米を1位にあげている。韓国の人気が高いのが印象的である。ただし、シンガポールやマレーシア、そしてインドでは、欧米の影響力の方が高いことがうかがえる。

台湾は日本びいき、中国・タイ・ベトナムは韓国びいき、マレー半島は欧米びいき、インド、インドネシアは自国主義

 各都市ごとに見ると、台湾の台北は、ドラマやメイク・ファッションで日本が1位となっており「日本びいき」、バンコク、ホーチミンと中国4都市は、ドラマやメイク・ファションで韓国が1位となっており「韓国びいき」であるといえる。

 また、シンガポール、クアラルンプールでは、ドラマやメイク・ファッションの1位は欧米となっており、かなり「欧米びいき」であることも分かる。クアラルンプールではマンガ・アニメでさえ、日本ものより欧米ものの方をよく見るとしている。

 なお、インドのデリーとムンバイはいずれの国のコンテンツの割合も低くなっているのが目立っている。これは、インドでは、「映画」を中心に、自国コンテンツが圧倒的な人気と影響力を持っており、外国コンテンツの浸透は非常に低いレベルにあるためだと考えられる。インドネシアのジャカルタにもインドと同様の傾向が認められる。

(2012年5月8日収録、2023年8月5日新版)


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