ここでは、日本に対する世界各国の国民の評価をグラフにした(時系列変化は図録8015)。 調査対象25カ国のうち日本人を除く平均では、肯定的評価(概してプラスMainly positive)が52%、否定的評価(概してマイナスMainly negative)が26%であり、評価対象となった17カ国・国際機関の中では、プラス評価(肯定的評価)の割合が、ドイツ、カナダ、英国に次いで高かった。2010年にはドイツに次いで高かったが2013年は安倍新政権の右傾化が懸念されて評判が低下したといえる。17カ国・国際機関への評価結果については図録8014参照。 各国民別に日本へのプラス評価の割合を見ると、インドネシア人が82%で最も高くなっている。次ぎに、ナイジェリア人の75%、ブラジル人の71%、米国人・チリ人の66%と続いている。プラス評価からマイナス評価を引いた値では1〜4位はほぼ同じである。 逆に、日本を最も低く評価しているのは、中国人と韓国人である。日本人の中国、韓国に対する評価も非常に低いので(図録8014、図録8190参照)、尖閣列島や竹島をめぐる紛争による双方のマイナス評価が影響しあっていると考えられる。2010年値と比べると好転していた評価が反転した格好であることが分かる。 ドイツ人、フランス人はじめ西欧人は概して日本を余り高く評価していない(英国人はやや例外)。むしろ、米国人、カナダ人の方が西欧人より日本を高く評価している。もちろん、これらが必ずしも各国の日本に対する外交的立場をあらわしているものではない点には気をつける必要がある。 この件に関する日本人の見解の最大の特徴は、世界からのプラス評価より自国へのプラス評価の方が低い点にある。下に各国の世界評価と自国評価を対照させたグラフを掲げた。 当然とも言えるが、世界からの評価より自国への評価の方が高いのが一般的である。日本人からすると考えられないほどどの国民も自信があるのだ。プラス評価の割合を比べると、中国、韓国、インド、パキスタン、ロシア、ブラジルなどの国民で自国評価が世界評価を大きく上回っている。中国人は何と77%が自国は世界に対して「良い影響」を与えていると考えているのだ。
比較的クールに自国評価をしている国民はドイツ人、英国人や米国人である。それでも世界評価より自国評価の方が高い。 唯一、日本人だけが自国評価が世界評価より低いのである。余り自信過剰なのも問題だが、自信がなさ過ぎ、自虐的評価と見られても仕様がないであろう。(図録掲載後、この図を見て、こんな謙虚な日本人に生まれてつくづくよかったと感じたという声もきいた。) もっとも自己評価のマイナス評価割合は9%と世界評価の26%より低く、「悪い影響」は世界に対して与えていないとは思っている。ここいらも微温的といえば微温的であろう。「悪い影響」も与えているとしっかり認識すべきという声が世界から聞こえてきそうだ。 世界に「悪い影響」を与えていると自国に対して思っている者が最も多い国はどこだろうと目を凝らして数字を見てみると、パキスタン人を除くと、実は、米国人・英国人である。英米人の23%は自国がマイナスの影響を世界に与えていると自覚しているのだ。ここらが英米系の強さなのであろう。 この点に関して隣国にありながら日本人と対照的なのが中国人や韓国人である。自国評価でプラス評価がそれぞれ77%、64%と高いが、マイナス評価も16%、22%と多く、どちらでもないと回答したのは7%、14%しかいないのだ。日本人は自己評価が余りにあいまい、中国人、韓国人は自己評価がはっきりしすぎ、ともいえる。 (2010年4月23日収録、5月25日韓国世界評価データ修正、コメント追加、2013年6月14日更新)
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