日本側が韓国に親しみを感じる割合は2008年には51%であったが、それに対して韓国側が日本に親しみを感じる割合は37%であり、韓国側の評価の方が厳しいことがうかがわれる。毎日新聞(2009.1.4)によれば「韓流ブームを経て韓国への好印象が定着した日本に対し、歴史認識や竹島の領有権問題もあって韓国では依然、対日感情が厳しいことが分かる。」 時系列的に見ると、レベルは異なるものの日韓双方の相手国への好感度は平行して動いている状況がうかがわれる。日韓ともにワールドカップ・サッカー日韓共同開催で大いに盛り上がったが、その後は、やや親しみを感じる程度も沈滞化。 その後、各国李明博大統領の竹島上陸(2012年8月)や従軍慰安婦問題などでさらに日韓関係は悪化した。2012年、2015年に実施された東京新聞とソウル新聞との共同調査では、日韓両国民ともに相互に親しみを感じる者は減り、親しみを感じない者は増えている。 毎日新聞・朝鮮日報共同調査から日韓双方が感じる日本人・韓国人の長所についての結果を掲げた。 興味深いのは、日韓双方とも、自己評価と相手国からの評価とがだいたい似通っている点である。韓国人の方が日本人より精神力で勝っており、逆に技術力では劣っていると日本人も韓国人も同じように感じているのである。 もっとも勤勉性については、日韓双方とも、自分たちの方が相手より勤勉だと思っており、やや見方が食い違っている。逆に礼儀正しさについては、日韓双方とも、相手の方が礼儀正しいと思っており、これもプラス・マイナスが逆であるが見方が食い違っている点では同じである。 なお、下に米国が好きかどうかの調査結果を表で掲げた。日本側はだいたい「ある程度好き」に回答が集まっているのに対して、韓国側は、「とても好き」も日本より多ければ、「嫌い」も日本より多く、好き嫌いがはっきりしているのが目立つ。 あなたは米国をどのくらい好きですか(2008年)
以下には、「親しみ」ではなく「好き嫌い」であるが、両国民の相手国への意識の20年間の変化を知ることのできるNHKが実施した国際世論調査結果を掲げる。これでも、現在、日本人は韓国が好きになっているが、韓国人はなお嫌いが多いことが分かる。時系列的には、日本人の意識は2000年代になって「嫌い」から「好き」へと大きく逆転し、韓国人の意識は「嫌い」が以前より多くなってきている様子がうかがわれる。 最後に下には、東京新聞・ソウル新聞共同調査から日韓両国民が相互の国のどんなことに興味をもっているかを調べた結果を掲げた。日本人の韓国に対する最大の興味は「料理」であり(両年とも同じ)、韓国人の日本に対する最大の興味は「観光」である(2012年には「漫画・アニメ」だったが)。日韓両国民の相互の料理に対する関心については図録0331参照。2012年から2015年にかけての変化として目立っているのは、日本人が韓国の伝統・歴史に興味が増している点と以前非常に高かった韓国人の日本の漫画・アニメへの興味がやや低くなった点である。
(2009年1月5日収録、2011年3月30日NHK調査結果追加、2015年8月21日東京新聞・ソウル新聞共同調査の結果を付加)
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