高層、超高層に至るまで階数別にビルを把握している東京消防庁のデータによれば、30階以上の建築物を高層ビルとしてとらえると、2000年より前には高層ビルの数は70台であったのに対して、15年後の2013年末には292と4倍以上の大きな増加となっている。 以下に高層ビルの都内分布の状況についてコメントする。 都心部の高層ビル(高層建築物)は、千代田区の丸の内署管内(以下、管内を略す)の23、麹町署10に含まれている。副都心については新宿副都心は都内で2番目に高層ビルが多い新宿署の33に含まれ、渋谷副都心は渋谷署8、池袋副都心はサンシャインビルなどが属する池袋東口方面の豊島署6と西口方面の池袋署4に含まれている。 新宿署の高層ビルは、1998年の段階では、23と都内で他を圧倒して多かった(2位であった中央区臨港署の9の2倍以上)。新宿には1971年の京王プラザホテルを皮切りに超高層ビルが挙って建設され、東京都庁が1991年に有楽町からこの地に移転した頃にはすでに都内随一の座を確立していたといえる。 こうした東京の都心、副都心の高層ビルが業務ビル中心であるに対して、最近は、東京湾岸部(ベイエリア)の居住向け超高層マンション(タワーマンション)の増加が著しい。消防署管内毎の高層ビルの数は、2013年末には、港区の芝署(新橋・虎ノ門・浜松町の業務地区と湾岸部芝浦・海岸・台場の超高層マンション群を含む)が40と新宿署を抜いてトップに躍り出ている。 都心、副都心以外で高層ビルが多い消防署を見ると、いずれも湾岸部である(隅田川沿いの南千住の再開発地区を含む荒川区荒川署は例外)。湾岸部を東から西に見ていくと、 ・江東区深川署(豊洲、東雲を含む) 32 ・中央区臨港署(月島、晴海を含む) 25 ・港区芝署(芝浦、海岸、台場を含む) 40 ・港区高輪署(品川駅周辺と港南を含む) 21 ・品川区品川署 10 となっている。これらが、都心回帰の受け皿として1990年代後半からの東京の人口増をもたらしたことは確かであろう(図録7680参照)。 消防署管内の構成エリアについては、東京消防庁のHPを参照されたい。 参考のため、港区の芝浦港南地区(芝署、高輪署にまたがる)の代表的な高層マンションについて以下に紹介する。
(2011年4月4日収録、2013年1月9日更新、2015年5月13日更新)
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