チューリップは、NHK放送文化研究所の調査(2007年)によれば日本人の好きな花として、桜に次ぐ第2位のランクを示している(図録3991)。富山県、新潟県の県花で、オランダ、トルコ、ハンガリー、アフガニスタン、カザフスタンなどは国花にしている。オランダはチューリップ大国として知られ、世界の生産量の80%以上を担っている。

 国内では、球根の出荷量は富山県が1985万球(2013年)で国内の55%程度を占め断然トップ。切り花は新潟県が1位である(東京新聞2014.3.2)。

 ここでは、日本各地のチューリップの名所の17箇所を掲げた。

 花の数(球数)では、砺波チューリップ公園(富山県砺波市)の250万球、品種数ではハウステンポス(長崎県佐世保市)の650品種がトップである。



チューリップの分類
  開花時期 一重咲き 八重咲き その他
早生 4月上旬〜中旬めど ・一重早咲き(クリスマスドリーム) ・八重早咲き(モンテカルロ)  
中生 4月中旬〜下旬めど ・ダーウィン・ハイブリッド群(白雲)
・トライアンフ群(ラップトップ)
   
晩生 4月下旬〜5月上旬めど ・一重晩咲き(紅豊)
・ビリデフローラ(スプリンググリーン)
・八重晩咲き(アンジェリケ) ・ユリ咲き(バレリーナ)
・フリンジ咲き(ハミルトン)
・パーロット咲き(フレミングパーロット)
・レンブラント群
原種 開花期に幅がある ・カウフマニアナ群(ヨハンシュトラウス)
・フォステリアナ群(オレンジエンペラー)
・グレーギー群(トロント)
・その他原種(サキサテレス)  
(注)オランダ王立球根生産者協会が制定した分類では、開花時期と花形の組み合わせなどにより15に区分。カッコ内は品種名
(資料)東京新聞大図解「春の代表花チューリップ」(2014.3.2)

チューリップの歴史
約3000年前 トルコで栽培されていたという記録がある
16世紀半ば トルコから欧州へ。オランダを中心に品種改良が進む
17世紀前半 オランダ「チューリップ狂時代」(球根価格が急騰、投機ブーム)
1830年頃 江戸時代の植物図鑑「本草(ほんぞう)図譜」に「チュリパ」の記載
1863年頃 日本にチューリップの球根が渡来
1910(明治43)年 横浜植木株式会社が球根3万球を輸入
  明治時代までは「鬱金香」(うこんこう)と呼ばれていた
明治末〜大正初め頃 新潟県で商業栽培始まる
1918(大正7)年 富山県砺波市で栽培が始まる
1977(昭和52)年 低温保存により開花時期を遅らせる栽培方法が登場、チューリップの花を楽しめる時期が広がる
(資料)同上

チューリップの名所一覧表
チューリップ名所 場所 品種数 球数(万) イベント予定
かみゆうべつチューリップ公園 北海道湧別町 190 120 チューリップフェア5月1日〜6月上旬
雪谷川ダムフォリストパーク・軽米 岩手県軽米町 40 150 森と水とチューリップフェスティバル5月3〜18日
国営ひたち海浜公園 茨城県ひたちなか市 220 28  
佐倉チューリップフェスタ 千葉県佐倉市 52 60 4月1〜29日佐倉ふるさと広場など
国営昭和記念公園 東京都立川市 130 22  
チューリップまつり 東京都羽村市 33 40 4月10〜27日根がらみ前水田周辺
五泉市チューリップまつり 新潟県五泉市一本杉地区 40 150 4月中〜下旬予定
砺波チューリップ公園 富山県砺波市 600 250 となみチューリップフェア4月23日〜5月6日
はままつフラワーパーク 静岡県浜松市西区 80 50 浜名湖博2014 3月21日〜6月15日
国営木曽三川公園 岐阜県海津市 116 20 チューリップ祭4月5〜20日
なばなの里 三重県桑名市 200 180 チューリップまつり3月21日〜4月下旬
たんとうチューリップまつり 兵庫県豊岡市 300 70 4月19〜27日を中心に12日間予定たんとう花公園
世羅高原農場 広島県世羅町 300 70 チューリップ祭4月15日〜5月11日
はくたチューリップ畑 島根県安来市 100 60 市役所伯太庁舎周辺の田
直方リバーサイトパーク 福岡県直方市 58 13 のおがたチューリップフェア4月上〜中旬予定
ハウステンポス 長崎県佐世保市 650 66 チューリップ祭〜4月13日
くじゅう花公園 大分県竹田市 100 10 チューリップフェスティバル4月19日〜5月6日
(資料)同上

(2014年3月4日収録)


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