スターバックスのコーヒー店舗数は地域がどれほど開けているか、あるいは遅れているかの指標として関心がもたれている。そこでここでもグラフにして示した。店舗数は人口規模との関連で多い少ないと判断する必要があるので、人口千人当たりの店舗数を算出し全国平均との差を対全国格差として示した。

 原資料を引いたJタウンネットの記事では、基本的に実数規模をもとにして以下のように記述されている。

「店舗数がもっとも多かったのは東京(366店)。2位にトリプルスコアの差をつけて圧倒した。都内だけで国内全店の約4分の1を占めているほか、人口あたりの店舗数を計算してみたところ、断トツのトップ。さすが首都、といったところか。

 以下、2位大阪(120店)、3位神奈川(119店)、4位愛知(115店)、と続く。店舗数をそのまま「戦闘力」に見たてても、かなり納得できる結果ではないだろうか。

 なお、店舗数が3ケタだったのはこの4地域のみ。5位の千葉は76店舗なので、愛知とはやや開きがある。そうなると、スタバの店舗数で見た戦闘力では、東京・大阪・神奈川・愛知を四大都市と言ってよさそうだ。

(中略)

 店舗数が最も少なかったのは、鳥取・島根・徳島の3地域。いずれも4店舗だったが、人口あたりの店舗数を踏まえて、徳島(10万人あたり0.54店)を最下位とした。島根は同0.59店、鳥取は同0.71店だった。

 スタバの進出が最も遅かったのは鳥取だが、今回のランキングでは最下位の汚名を免れた形だ。以下、高知(5店)、宮崎(6店)、山口(7店)...と続いている。やはりというべきか、各地方の中心的な都市から離れれば離れるほど、店舗数は少なくなってしまうようだ」。

 図中に示した「人口1000人当たりの店舗数の対全国格差」を見ると、また少し違った姿が明らかとなる。

 東京の店舗数366店は人口1000人当たりでは26.3店となり全国平均の12.5店の2倍以上、差は13.8店超過であり、他県と比較して圧倒的である点は実数と同じ印象である。

 しかし、東京に次ぐ2位は実数ではそれほど目立たなかった沖縄であり、3位の愛知を上回っている。沖縄でスタバが多いのは、もともと喫茶店文化が普及していなかった(図録7760)ので競合がなかったことに加え、観光・リゾート開発との組み合わせ出店、米国発祥のチェーンである特性との相性のよさ、あるいは米軍基地との関連などが影響しているのであろうか。

 愛知に次いでは、山梨、愛知、京都、大阪と続いている。都心を抱える大都市圏の府県が多いが、山梨は例外的に多い。観光地との関連であろうか。東京以外の南関東諸県は実数規模では多くても、人口当たりでは決して多いとは言えない。

 逆に、最少4店舗の鳥取、島根、徳島は人口当たりでは他の地方圏の諸県と比較して、特段、少ない訳ではない。鳥取へのスタバ進出が最後になったのは、人口が少なかったからに過ぎないと解せよう。

 人口当たりの店舗数が最も少ないのは鹿児島であり、山口、福島がこれに次いでいる。スタバが少ないことを開けていない地域の指標とするなら、取り上げるべきは、この3県こそだろう。

(2020年7月27日収録)


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