都道府県別の失業率はかつては5年に一度、しかも単月の結果を国勢調査や就業構造基本調査によって見るしかなかったが、2002年からは、標本規模が小さいため精度には限界があるので試算値との断りつきであり、また男女年齢別には結果が得られないが、労働力調査の結果から年平均値が毎年発表されるようになった。

 これをもとに3カ年の結果を図録化したが、3カ年とも失業率の高い県は、第1位が沖縄県(8%前後)、第2位が大阪府(7.5%程度)となっている。第3位は年ごとに京都府、福岡県、青森県となっている。

 全体の傾向を見ると、以下のように、必ずしも首都圏で高く地方圏で低い、あるいは大都市圏で高く農業地域で低いといった単純な構造にはなっていない。

 ひとかたまりの地域として失業率が高いのは、阪神大都市圏と北海道・北東北、九州、及び東京大都市圏(名古屋大都市圏は低い)であり、単独県として失業率が周辺と比べ高いのは、沖縄県、福岡県、宮崎県、徳島県などとなっている。

 逆に失業率が低い点で目立っているのは富山県、福井県、島根県といった北陸、山陰の地域、及び愛知県、長野県、岐阜県、静岡県といった中部圏である。



関連図録リスト
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7360 都道府県の失業率(2003〜05年)(新ページ)
7365 都道府県別事業所開廃業率
7500 県別の工業出荷額の順位の推移

 なお、2002年の就業構造基本調査による都道府県別失業率を見る(右図参照)と労働力調査(試算値)の結果と北東北の失業率がそう高くないなどの違いがあり、沖縄、北海道、福岡などを除くと東京大都市圏と阪神大都市圏で失業率が高いという傾向が色濃く出ている。

 さらに、失業率が高い地域ほど事業所の開廃業率が高くなる傾向については、図録7365参照。

(原データ)
都道府県別年平均失業率(%)        都道府県は試算値
  1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
全国 3.4 4.1 4.7 4.7 5.0 5.4 5.3
北海道 3.7 4.8 5.0 5.5 5.8 6.1 6.5
青森県 4.0 5.3 5.7 5.6 5.5 6.1 7.0
岩手県 2.6 3.3 3.3 3.8 4.6 5.8 5.4
宮城県 3.3 4.3 5.1 5.0 5.3 6.2 6.3
秋田県 3.6 3.7 4.3 4.4 5.6 6.3 5.5
山形県 1.9 2.4 2.9 3.8 3.9 4.7 4.3
福島県 2.5 3.5 4.2 3.9 5.0 5.6 5.3
茨城県 2.9 3.1 4.0 4.3 4.6 4.8 5.0
栃木県 2.7 3.5 4.1 4.4 4.4 4.0 4.9
群馬県 2.7 2.6 3.6 4.0 4.3 4.7 4.8
埼玉県 3.9 4.3 5.1 5.3 5.3 5.8 5.5
千葉県 3.5 4.3 4.5 4.3 4.7 5.0 5.0
東京都 4.1 4.9 5.5 5.0 5.2 5.6 5.0
神奈川県 3.7 4.5 5.2 4.6 4.6 5.1 4.8
新潟県 2.6 3.0 3.8 3.8 4.3 4.5 4.6
富山県 2.2 3.0 3.3 3.5 3.9 3.6 3.8
石川県 2.6 3.5 3.9 3.8 3.3 4.2 3.8
福井県 2.4 2.5 2.8 2.8 3.8 3.6 4.1
山梨県 2.2 2.6 3.0 3.4 3.3 4.5 4.4
長野県 2.1 3.1 3.1 2.5 3.2 3.9 3.9
岐阜県 2.1 2.8 3.5 3.1 4.2 4.5 4.0
静岡県 2.6 3.2 3.5 3.7 3.8 4.0 4.0
愛知県 2.9 3.6 4.3 4.2 4.4 4.0 4.0
三重県 2.5 2.7 3.7 3.4 3.9 4.4 4.7
滋賀県 2.6 3.5 4.5 4.3 3.8 4.3 4.5
京都府 4.0 4.6 4.9 5.8 6.3 6.6 6.0
大阪府 4.7 5.5 6.2 6.7 7.2 7.7 7.6
兵庫県 3.8 4.9 6.0 5.6 6.2 6.6 6.5
奈良県 3.3 4.3 4.9 5.2 5.2 5.7 5.2
和歌山県 2.2 2.8 4.1 3.9 5.6 5.8 5.2
鳥取県 2.7 2.9 3.8 3.5 3.8 3.7 4.3
島根県 1.7 2.7 2.4 3.6 4.5 3.5 3.3
岡山県 2.8 3.4 4.4 4.0 4.4 4.6 4.4
広島県 2.8 3.3 3.9 4.3 4.4 4.6 4.6
山口県 3.0 3.7 3.9 3.8 4.2 4.3 5.1
徳島県 3.3 3.8 3.7 4.9 5.7 5.3 6.4
香川県 2.9 3.6 3.8 3.8 4.4 4.7 4.4
愛媛県 3.0 3.8 4.1 4.0 5.0 5.4 4.7
高知県 4.1 4.1 4.6 5.2 6.0 4.7 5.0
福岡県 4.3 5.3 5.9 6.4 6.2 6.9 6.8
佐賀県 2.5 3.6 4.5 4.7 4.7 4.8 4.9
長崎県 3.6 4.0 4.5 5.4 5.6 5.5 5.3
熊本県 3.3 4.1 4.1 5.1 5.0 5.6 5.5
大分県 2.8 2.9 4.0 4.7 5.5 4.9 4.7
宮崎県 3.7 4.2 4.3 3.7 4.4 6.4 5.8
鹿児島県 3.2 4.3 3.4 4.0 4.7 4.9 5.6
沖縄県 6.0 7.7 8.3 7.9 8.4 8.3 7.8
(資料)労働力調査

(2004年10月13日収録)


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