チューンガムのロッテは、「噛む」をテーマにした研究を継続しており、2021年10月には、食生活の変化に伴う食事や噛むことに対する意識変化の実態を明らかにするため、 47都道府県毎に20代〜60代の男女100名ずつを対象とした全国「噛む力」調査を実施した(WEBアンケート、有効回答4700名、性年代居住地均等割付なので地域別結果からは高齢化の影響がキャンセルされている)。

 この図録ではこの調査の結果から「噛む力」の都道府県ランキングを示した。同時に行われた全国47都道府県のご当地名産品の一口(10g)あたりに必要な咀嚼回数については図録7765d参照。

 この調査での噛む力とは@日常における「よく噛むこと」に対する意識、A夕食時一口あたりの咀嚼回数・ガムを噛む頻度といった行動、B噛むことの健康効果や食べ物の種類別の必要咀嚼回数への理解度といった知識、主にこの3要素で構成された質問の回答結果を集計。ロッテ「噛むこと研究部」が健康面において好ましいとされる順序に点数を割り振り、偏差値で算出した結果である。

 全体的な調査結果の概要は以下である。
  • 全国「噛む力」偏差値の1位は秋田県。
  • 性年代別で見ると60代女性が最も「噛む力」が高い一方で、40代男性が最も低い結果。
  • 噛むことを「よく意識している・意識している」と回答した人は全体の4割以下。夕食時一口あたりの噛む回数に関して、専門家は30回以上を推奨しているのに対して、9割以上が「30回未満」という実態が明らかに。
  • 噛むことの健康効果について、最も多くの人が知っていたのは「脳の活性化」で、6割以上が知っているという結果に。
 調査をともに実施した和洋女子大学柳沢幸江教授は「食生活やライフスタイルの変化により日本人の「噛む離れ」が進んでいると考えられます。今回の調査では、夕食時の一口あたりに噛む回数が、自己申告ですが、20回未満の人が8割以上を占めていました。よく噛むには、1口30回が目安とされていますが、実際はそこまで噛めてない人が大半と言えるでしょう」と言う。

 都道府県ランキングの特徴は以下である(要素別の結果を示した下図も参照)。
  • 全国「噛む力」調査ランキングで1位は秋田県(偏差値:71)。
  • 続いて、2位に福島県(偏差値:68) 、3位には福岡県と大分県(偏差値:65)が同率でランクイン。
  • 最低は富山県であり、山梨県、栃木県がこれに次いでいる。
  • 日本列島の東西の端ほど噛む力が高い傾向。3大都市圏が特に低いわけではなく、九州の中でも福岡県は低くないなど都市化の影響で低いとは言えない。
  • 1位の秋田県と2位の福島県は、噛むことの「意識」「行動」「知識」面のどの設問においても全体的に高い得点傾向にあり、3位の福岡県は「よく噛むこと」を意識している割合が3番目に多く、実際に夕食時一口あたりに「20回以上噛む」割合が最も高いことが明らかに。
  • また、「噛む力」の上位4県全てが「ガムをよく噛んでいる県」の上位にランクイン。この結果から、ガムをよく噛んでいる県が、「噛む力」が高い傾向にあることがわかった。


(2021年12月24日収録)


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