全国の男女年齢別の結果は下図の通りであり、男女ともに若年層の方が高年齢層と比較して許容度が高くなっている。そこで都道府県の値は高齢者が多い県ほど許容度が低くなる傾向が生じる。これではそもそもの県民性が分からなくなる。そこで各県の男女年齢別の結果(下図と同じ男女それぞれ3区分)からその県が全国と同じ年齢構成だとしたらどのような値になるかを算出した結果を上掲グラフには示している(いわゆる年齢調整後のデータ)。 都道府県の上位・下位5県を掲げると以下の表の通りである。
婚外性交渉の許容度が高いのは男は大阪、奈良、岐阜、女は青森、北海道、石川となっている。 高低の地域別傾向は存在しないようである。すなわち東日本と西日本の差、関東と関西の差、地域ブロック別の差、大都市圏と地方圏の差などが認められない。ただ男の場合は大都市圏でやや許容度が高い傾向があるといえるかも知れない。 なお、総ての県で男の許容度が女の許容度を上回っているが、青森、大分、沖縄では差が小さい。 国内各地域の歴史的な沿革(民族形成、宗教普及、近代化、都市化)などにもとづく何らかの地域性があるのではないかと思って作成した図録であるが、いまのところ明確な関連性は思いつかない。 都道府県別のでき婚率(図録7270)にこの婚外性交渉許容率が影響しているかを調べても男性ではマイナスの相関、女性では非相関となっている。 このデータについては私が監修者となっている「口説ける「統計」」(2009年刊)で「不倫許容度県民ランキング〜「不倫?いいんじゃないの」第1位は、地元・近隣に潔いほど無関心な千葉県〜」としてとりあげられている。これは上のように「そう思わない」ではなく「そう思う」の比率、しかも年齢調整なしの男女計の数値をとりあげ、最も数値の低い県が千葉だったことからこういう表現になっているのである。千葉は上の表の男女別の5位までに登場しておらず、食い違いが大きい。もう1つの選択肢である「どちらともいえない」の比率が影響しているのであろう。このことは、こうしたデータについては取り扱いに十分な注意が必要であることを示している。 (2012年7月23日収録、9月5日口説ける「統計」関係のコメント追加)
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