太平洋戦争では民間の被害が軍をしのいだ。その代表が大洋をまたがり物資輸送に携わった船舶、船員の被害である。以下、東京新聞の大図解「太平洋戦争〜海に消えた船たち」(2006.8.13)から引用する。

「太平洋戦争で亡くなった軍人軍属は海軍47万3800人(死亡率16%)、陸軍164万7200人(死亡率23%)。死亡率で軍人らを上回ったのが海運・水産業の船員で推計43%、約6万人が命を落とした。

開戦前、世界第3位の船舶保有を誇った商船(100総トン以上)は2568隻、保有船腹の88%が沈没。漁船や機帆船は4000隻超が喪失したと見られる。

商船は戦時海運管理令により軍の作戦行動と民間物資の輸送に配分され、漁船も輸送用に軍に徴用された。

これらの輸送船を沈めたのが米軍の潜水艦だ。第一次世界大戦でドイツのUボート(小型潜水艦)が、島国・英国の息の根をとめるために海上輸送路を断った通商破壊作戦を踏襲した。日本は歴史に学ぶことなく、輸送船団の護衛のために海上護衛総司令部を創設したのは、戦争も後半の1943年11月になってからだった。」

 さらに東京新聞の大図録「太平洋戦争 日本商船隊の壊滅」(2012.7.29)では海域別の沈没船数と犠牲者数のデータが掲げられたのでこれを同時に図示した。同紙によれば総トン数ベースの沈没原因別割合は、雷撃(潜水艦攻撃)が56.5%、空爆が30.8%、触雷が6.7%、その他が1.1%、普通海難が4.9%となっている(財団法人海上労働協会「日本商船隊戦時遭難史」による)。

(2007年8月7日収録、2012年7月29日海域別データグラフ追加)


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