国際比較の対象国は、ブロードバンド料金の低い順に、日本、韓国、スウェーデン、台湾、香港、カナダ、ベルギー、シンガポール、米国、中国、ドイツ、スイス、イタリア、オランダ、フランス、英国の16カ国である。 この点について、情報通信白書(平成16年版)では「このような低料金を実現している背景には、我が国のブロードバンド市場が非常に競争的であることがある」とし、政策の成果を強調している。 ところが、一方で、図録6300でみているように、我が国のブロードバンド普及率は、それほど高い水準にはなく、誰でも利用するサービスとはなっていない。我が国より何倍も何十倍も料金の高い韓国、ベルギー、香港、カナダといった国の方がブロードバンド普及率が高いのである。 何か計算に勘違いがあるのではなかろうか。(注)に「提供速度から計算した」とあるが、DSLのベストエフォートの理想速度と実効速度は異なる。実効速度でもし計算すると違ってくることが考えられる。不必要に速いサービスを買わされているのではないかという消費者サイドからの観点もありうる。あるいは、提供エリアの違いがあるかも知れない。全国隅々まで同じ速度でのブロードバンドサービスが提供されている国とそうでない国とがあれば、当然、普及率のも違いが生じる。低廉さもそれを享受できる環境がなければ意味がなかろう。 情報通信白書にはこうした点に関する分析が望まれる。 (2005年6月10日収録、6月28日更新)
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