途上国の主な接続手段はモバイルフォン。インターネット・アクセスにはなお大きなギャップ(原資料のタイトル)
モバイルフォンの普及度が4割未満の国はサハラ以南アフリカのマダガスカルや中央アフリカなど数カ国とアジアではミャンマーぐらいである。 国別の普及率の格差だけでなく、各国の国内の階層格差も所得格差などと比較してそれほど大きくない。モバイルフォンの階層別普及率を見ると高所得国で下層が91%、上層が98%と差が小さいのが目立っているが、もっとも差が大きいサハラ以南アフリカでも下層が56%、上昇が73%とそれほど大きな差ではない。 モバイルフォン普及率と同じ形式でインターネット普及率の世界マップを示したが、インターネット普及率は、国別でも国内的にも、モバイルフォンより普及格差が大きいことが分かる(主要国のインターネット普及率推移は図録6300参照)。 国別には欧米、日本などの先進国では6割以上の普及率を示す国が多いが、中国、中央アジア、中東。北アフリカ、ラテンアメリカなどでは2〜6割未満の国が多く、また南アジア、東南アジアやサハラ以南アフリカでは2割未満の国が結構多くなっている。 国内的にもインターネット普及率の普及格差はモバイルフォンよりも大きい。下層と上層の普及率格差は高所得国では66%〜90%とそれほどではないが、途上国では2〜4倍の大きな格差となっている。 わが国のモバイルフォン(携帯電話、PHS、スマホ)、及びインターネットの所属世帯年収別の普及率を以下に掲げた。 モバイルフォン、インターネットの普及率は、それぞれ、2014年に国民平均で74%、83%であり、世界の高所得国の、それぞれ、95%、81%と比較するとモバイルフォンで低く、インターネットで高くなっている。算出ベースの違いから日本と海外を厳密には比較できないが、案外、日本のモバイルフォン普及率は高くないと考えられる(契約数ベースの国際比較である図録6360でもそう高くない)。固定電話の普及率の高さから必ずしもモバイルフォンでなければ生活できないほどではないからだろう。 下層上層の普及率格差については、わが国の低所得階層は社会の下層と言うより高齢の年金生活者である側面が強いので単純に海外と比較できないが、モバイルフォンでは、比較的格差が大きく、インターネットでは比較的格差が小さいのではなかろうか。 (2016年2月10日収録)
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