1989年に15.3兆円だった収入額は1994年に30.5兆円へと急増したが、その後は、減少傾向にある。減少傾向の要因としてはパチンコ人口の減少をあげることができる(図録5672参照)。なお、2011年の収入額が特に減少したのは、東日本大震災の影響と思われる。 ここで確認したいのは、パチンコ屋の売上げ金額がバカみたいに巨大だったことである。参照のため国民が1年間に使う医療費を掲げておいた。1994年には両者がひっくり返った。バブルの余韻がさめやらない頃である。その後、パチンコホールの売上げは減少傾向となったが、医療費も伸びが抑制されるようになり、2004年までは、そう大きな違いがなかった。ところが、さすがに、2012年に至ると、高齢化に合わせて医療費は確実に伸びる一方、パチンコホールの売上げは減少し、後者は前者を15兆円ほど下回るに至っている。 パチンコホールの利益は、収入額(パチンコ玉の販売額)から景品の引き替え額を差し引くので、収入額よりはずっと小さい。パチンコの控除率は10〜15%といわれているので(図録5680参照)、その割合を掛けた分が実収入と考えられ、リース業、ゴルフ場、介護事業所といった普通のサービス業とは収入額といっても性格が異なっている。しかし、いったんはこの金額規模が動くのである。 2005年の当図録の初掲載時には「パチンコホールの収入額より国民医療費が少ないというような状況が異常であると感じなくなるとこれはもうあぶない社会である」と述べたが、そんな心配もなくなったようである。 (2005年6月13日収録、2007年1月25日更新、3月23日控除率コメント追加、2013年8月27日更新、2014年2月15日更新、2016年2月2日サービス産業動向調査(拡大調査)確報値、2月19日経済センサス基礎調査、5月10日2012年以降データ、サービス産業動向調査(拡大調査)「結果の概要」によって補正・更新、2017年10月12日確報、国民医療費更新、2018年3月30日更新、2019年4月3日更新)
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