作品数でも足かけ年数でも最も多いのは、渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズ(寅さんシリーズ)であり、48作、足かけ27年続いた。巻末にネットフリックス等での鑑賞のために一覧表を示した。 図録5669からの転載で「男はつらいよ」シリーズの観客層のデータを示した。男性青壮年層に好まれている(いた)ことが分かる。 作品数では森繁久弥の「社長」シリーズが2番目であり、足かけ年数では西田敏行・三國連太郎コンビの「釣りバカ日誌」シリーズが2番目である。 同一俳優によるシリーズ映画が数多く作られたのには、日本特有のブロックブッキングという興業形態があるという(同上毎日新聞)。これは映画会社が系列映画館に定期的に作品を供給する義務を負うというシステムであり、このシステムにとっては形式の定まったシリーズものが重宝な存在であったため、1970年代までは盛んに作られたというわけである。 今や、かつての系列館はなくなり、代わってシネコン(複合型映画館)の時代となり、現在の映画作りは多くの出資者が一回ごと集まる「製作委員会」方式が主流となったためこうした息の長いシリーズものは成立が困難になっているという。
以下は、馬場康夫氏が全50作を見返し、今の視点で採点した「男はつらいよ」シリーズ一覧表 (資料)NEWSポストセブン(2022.09.10) 記事リンク (2010年1月25日収録、5月21日社長シリーズ追加、2022年9月11日「男はつらいよ」シリーズ一覧表、2024年6月9日「男はつらいよ」観客層、6月10日極道の妻たちシリーズ追加)
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