ここでは、世界各国の輸入中間財に占める日本製品の割合をグラフにした。 製造業製品全体では、国別に、台湾、タイ、韓国の日本への輸入依存度が高くなっており、中国、フィリピン、マレーシア、インドネシア、香港、ベトナム、シンガポールと続いている。東アジア、および東南アジア諸国からなる経済圏において、日本を重要な環とする緊密な生産連鎖(バリュー・チェーン)が形成されていることがうかがえる。 韓国では製造業輸出がいくら伸びても、日本からの輸入がこれにリンクして増大するので、必ずしも全部が所得の増大につながらないと嘆かれることがあるが、その背景にはこうした連鎖があると見て良いであろう。韓国以上に、台湾やタイにおいては、そうしたことが当てはまっている。また中国は生産規模自体が巨大であるので、2割弱の日本への輸入依存度といっても、絶対額は大きい。 分野的には、特に、自動車や鉄鋼、また国によってはコンピュータにおいて、日本の中間財への輸入依存度が高くなっていることが図からうかがえる。例えば、タイでは自動車部品をはじめとする自動車中間財輸入の7割が日本製で占められている。自動車中間財輸入の日本依存度は概してどの国も高いが、韓国、マレーシアなどでは相対的に依存度が低くなっている点にも留意すべきであろう。さらにコンピュータ部品については、国による依存度の違いが大きくなっている。台湾や韓国、マレーシアといった競争相手との競合が国によって大きく生じているからと思われる。 日本では、逆に、付加価値ベースで見て、海外からの中間財輸入比率が低いレベルにある状況については図録5382参照。 図に掲げた31か国を、製造業計における依存度の大きい順に掲げると、台湾、タイ、韓国、中国、フィリピン、マレーシア、インドネシア、香港、ベトナム、シンガポール、ニュージーランド、米国、オーストラリア、世界、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、サウジアラビア、チェコ、チリ、インド、ロシア、カナダ、ハンガリー、ドイツ、オランダ、英国、アルゼンチン、アイルランド、フランス、スウェーデンである。 (2014年3月11日収録)
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