日本企業の海外進出にともない、海外現地法人への出資額とそれに対する支払額が増えてきている。この支払額は日本から見れば海外進出からもたらされる収益である。こうした点の動きについて通商白書掲載データから整理しておこう。


 日本からの出資額に対する支払額は、出資配当金、ロイヤリティ(特許権、商標権等への対価)、貸付金利息、技術指導料などからなっている。上図の通り、海外への出資が増えるにつれて支払額も増加している。1990年代中頃には1兆円前後だった支払額がそれ以後17年〜18年で3兆円以上にまで増えている。配当金とロイヤリティを比べると、当初は、ロイヤリティが配当金を上回る傾向にあったが、2000年代後半からは配当金の方が多くなっている。

 ロイヤリティと技術指導料はいわゆる技術貿易の範疇に入る。技術貿易の対北米・欧州の収支については図録5700参照。

 さて、図録のメインでは、このように増えてきた出資額とそれに対する支払額の比率の推移と現在の国別の状況を示した。

 世界全体での支払額対出資額比率の推移は、2004年度までは10%台前半の水準であったのが、最近は、10%後半へと上昇してきている。米国、中国、タイのいずれもそうした傾向が認められる。

 近年、日本の国際収支は、貿易収支は赤字(図録5040)、貿易外収支が黒字であり、合わせた経常収支はトントンという状況であるが、貿易収支の赤字を埋める貿易外収支の黒字の内容をなすのはこうした海外進出からの収益だと考えられる。

 出資額、支払額の国別の状況を見てみると、双方とも米国が最も多く、中国がこれに次いでいる。中国に続く国は、出資額では、オランダ、英国、タイ、シンガポールの順であるが、支払額は、タイ、オランダ、シンガポール、インドネシアの順である。こうした順位の差は、支払額対出資額比率で欧州の方がアジアを下回っているからである。

 同比率は、米国、中国は平均的であるが、欧米では、カナダ、アジアではタイ、香港、インドで3割以上と大きい。アジアでは1割以下の国はないが、欧州では特に英国が3.5%と低いほかその他の国も1割前後と比較的低くなっている。

 図で取り上げた20カ国は図の並び順に、米国、カナダ、メキシコ、豪州、オランダ、英国、ドイツ、フランス、ベルギー、中国、タイ、シンガポール、インドネシア、ブラジル、台湾、マレーシア、韓国、香港、ベトナム、インドである。

(2016年3月3日収録、3月4日日本側出資者向け支払額更新)


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