衆参両院の国会議員の出身大学ランキングを図に掲げた。関連して政治家の出身高校については図録5217b、総理経験者の出身大学については図録5237参照。
2014年12月の衆議院選後の2015年1月現在では、東京大(東大)卒が144人と最も多く2位以下をかなり上回っている。東大に次いで、慶應義塾大、早稲田大、中央大、京都大、日本大と続いている。 国会議員717人中、東大の比率は20.1%にあたる。それでは中央官庁のキャリア官僚の東大卒比率はどの程度であろうか。上級公務員である国家公務員一種の2014年試験の合格者で出身大学が分かる1,864人中、東大卒は438人であり、比率は23.5%と4分の1である(大学ランキング2016による。図録3866参照)。 すなわち、一般との比較では、国会議員の学歴は、東大卒が最も多いことからも非常に高いといえるが、キャリア官僚はさらに高いのである。また、官僚(中央官庁)出身の国会議員の出身大学は東大81人、京大11人となっているので、官僚出身以外の国会議員の東大出身者は63人となり、慶應義塾大や早稲田大の出身者より少なくなる。 ここに、官僚が政治家を「偉大な素人」(榊原英資2011)と呼び、一方で、選挙で選ばれた政治家が公務員試験を経て就職した官僚を使っているという憲法上の立場から敬意を払うとともに、他方で、半分小馬鹿にしている根拠の1つがうかがわれる。 もっとも政治家の方に官僚への引け目は見られないようだ。安倍首相の出身大学は成蹊大、麻生元首相の出身大学は学習院大とともに私大出身であるが、東大出の議員や官僚に対するコンプレックスはないという(御厨貴2015)。 民主党政権期の2010年12月の出身大学と比較すると慶應義塾大が増え、早稲田大が減った結果、2位と3位が逆転したのを除くとそう大きな変化はない。 *参考文献 榊原英資(2011)「公務員が日本を救う〜偽りの政治主導との決別〜」PHP 御厨貴(2015)「政治家の出身大学ランキング解説」大学ランキング2016(週刊朝日進学ムック) ここで、取り上げている大学は、図の順に東京大、慶應義塾大、早稲田大、中央大、京都大、日本大、創価大、明治大、上智大、法政大、青山学院大、神戸大、東北大、北海道大、専修大、立命館大、九州大、学習院大、関西大、成城大、一橋大、関西学院大、立教大、筑波大、東京工業大、名古屋大、国際基督教大、東北学院大、横浜国立大、聖心女子大、玉川大、東京農業大、同志社大、東洋大である。 (2011年12月16日収録、2015年5月24日更新、2017年2月3日一時掲載止の後、広告を削除し、コメントを改変して再掲載) |
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