ここでは、新聞通信調査会が行った国際調査から、報道される内閣支持率などの政治世論調査の結果を各国の国民がどの程度信じているかについて示した。 国の並びは最新2018年の「人々の意見を反映していると思う」と回答した割合の高さの順であるが、日本は最も右、すなわち信じている割合が最も低い位置にある。これは意外な結果である。マスコミへの信頼度は格別に高いのに、マスコミが報じる世論調査への信頼度は格別に低いのである。 もっとも、「そう思わない」の割合の方は日本もそう格別高いわけではなく、順番としては7カ国中ちょうど真ん中ぐらいである。これは、意識調査における日本人の回答の一般的な特性、すなわち「わからない」や「どちらともいえない」という回答が多いという特性によるものである。この調査では日本の場合、「どちらともいえない」の割合が2018年には40.8%と各国の中で最も多く、2番目に多い英国の24.2%を大きく凌駕してるのである。 そこで、「そう思う」と「そう思わない」という回答の大小で判別するとすると、日本の場合は、米国、韓国と同様に、ほぼ信頼と非信頼がほぼ同数であるグループに属する。 「そう思う」が「そう思わない」を上回っている信頼グループは、タイ、中国、英国であり、逆に「そう思わない」が「そう思う」を上回っている非信頼国はフランスであり、日本は、米国、韓国と並んで、その中間なのである。 いずれにせよ、日本の場合、先進国中におけるマスコミへの信頼度の高さとは矛盾した結果である。日本人はマスコミの存在には親近感をもっており、信頼も寄せているが、マスコミが伝える報道内容については、信じないわけでもないが、正しく疑いを持って見ていると言えよう。 データの対象国は図の順にタイ、中国、米国、英国、韓国、フランス、日本である。 (2021年2月18日収録)
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