税収については全体として1990年代までは各国とも上昇傾向にあったが、2000年以降はやや低下している。日本は1989年をピークに低下傾向に転じている。その後2000年代後半にかけてやや回復傾向にある。 日本の税収低下は所得課税で著しい。個人所得税より法人所得税のウエイトが相対的に大きな日本では、1990年以降のように景気が低迷すると赤字企業が所得税を払わなくなる影響が大きいと考えられる。景気回復のため2004年以降は上昇したが、リーマンショック後の08〜09年は大きく低下した。法人税における欠損金の繰越控除制度があるためその後も簡単には税収が回復しない。2009年3月期から赤字だったトヨタは2013年3月期から黒字となったが、法人税を払うようになったのは過去最高益となった2014年3月期決算を受け、6年ぶりだったという(東京新聞2014年6月5日)。 消費課税についてはいずれの国でも所得課税より景気の影響を比較的受けず安定的に推移している。日本については、米国と並び、他国より一貫して低水準である点が目立っている。 図録1157で見たように各国の中で最も高齢化の進んだ国である日本としては、もちろん社会保険との分担によるものの、年金や医療、介護などの社会保障にかなりの税金を使わなければならない状況にあることを考え合わせると、こんなに税収が少なくて何とかなるのかという印象はぬぐい得ない。日本はまた巨額の公的債務を抱えているのであるから尚更である。かくして2014年からの消費税の8%、そしてその後の10%への引き上げが決まったのである。 (2007年12月19日更新、2008年10月9日更新、2009年10月6日更新、2010年5月31日更新、2012年1月3日更新、2013年1月16日更新、2014年6月8日更新)
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