(注)地域差、店舗形態別及び銘柄別の物価構造については、2007年までは5年ごとの全国物価統計調査により把握されていたが、2013年からは、小売物価統計調査の「構造編」として毎年調査されることとなった(従前の小売物価統計調査は「動向編」と位置付けられた)。 はじめの図には物価地域差指数の最高の都道府県と最低の都道府県の値を示した。 総合指数では、全国を100とすると東京が104.4、宮崎が96.0であり、その差は8.4、宮崎に対する東京の倍率は1割弱高い1.09倍となっている。 大分類別には、住宅の差が最も大きく、愛媛に対する東京の倍率は1.61倍となっている。住宅と並んで価格差が大きいのは教育、被服及び履物である。 逆に、差が最も小さいのは保健医療であり、最高県の富山は最低県大分の1.06倍に過ぎない。診察料が全国一律であるからであるが、若干の差は、市販薬等の価格差によっている。食料も他の部門と比べると比較的地域差の小さな部門である。 具体的に最高と最低の県を見てみると、総合で最高の東京は、住宅と交通・通信でやはり最高となっているが、その他では必ずしも最高ではない。住宅部門を代表する家賃を除いた総合では、東京は最高ではなく、むしろ、神奈川が最高となっているのである。その他の部門では、食料は石川・福井、光熱・水道では北海道、京都は教育で最高となっており、最高の県は部門によってかなり異なっている。 総合で最低の宮崎はどの部門でも最低ではなく、全体的に物価が安いことが分かる。部門別の最低の県としては、光熱・水道と教育で群馬が、被服及び履物と諸雑費で鹿児島が最低になっている。 第2の図には都道府県別の総合の地域差指数を掲げた。 東京に次いで物価が高いのは神奈川であり、この2地域の高さが目立っている。家賃を除く総合では東京より神奈川の方が高い。 大阪、愛知は必ずしも高くなく、大都市圏だからといって特に高いわけではない。東京、神奈川が特殊なのである。 九州は概して物価が低いが、その中で長崎の物価が高いのは、物価が高いといわれる島しょ部を多く抱えているためと思われる。 (追記) なお、下図のように、2009年の消費者物価地域差指数で最も物価水準が高かった都道府県庁所在地が横浜市となり、46年連続で首位であった東京都区部を初めて抜いたことが明らかになった。東京新聞(2010.6.26)によれば、「東京には安売りの小売店が集積し、家電製品や食料品などの値下がりが他都市より大きかったのが主因。かつて「日本一物価が高い街」だった東京も、競争激化で「デフレを象徴する街」へ変ぼうしつつあるようだ」とある。横浜のランドマークタワーと建設中の東京スカイツリーをあしらったグラフが楽しくできていることもあって引用した。 (2009年3月16日収録、2010年6月28日追記追加、2020年2月20日更新)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|