戦前日本の経済成長率の推移で最も目立っているのは、変動が激しかったという点である。1886年から1944年までの戦前について、マイナス成長の年が15年次と25%、4分の1にのぼっている。下にはこのグラフと1956年以降2020年までのグラフ(年度ベースの図録4400を暦年版にしたもの)を連結した図を掲げたが、後者の時期のうちマイナス成長は7年次と約1割にすぎないのと比べて対照的である。またこの連結図を見比べれば一目瞭然であるが、毎年の経済成長率の高低のジグザグが戦前期には非常に激しくなっており、戦後高度経済成長期以降の比較的安定した推移とはまるで異なっている。少し長くかなりの経済成長が続いたのは第一次世界大戦の時期、1915〜19年ぐらいである。 なお、経済白書が「もはや戦後ではない」としたのが1956年であるが、それまでの戦後の経済成長率は、戦後復興や朝鮮特需(1950〜52年)により高度経済成長期並みに高かったことがうかがえる。 (2011年12月13日収録、2014年6月16日戦後推移との連結図掲載、2021年2月15日「経済成長率:戦前からの長期推移」図更新、2023年12月13日1941〜55年新データ)
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