江戸時代から1950年にかけての都市域の拡大とそれに伴う1月の平均気温分布の推移を追ったマップ、及び近年の東京・神奈川の気象台における1月の平均気温の図を掲げた。

 これらを見ると、江戸時代は京橋・日本橋・上野周辺だけだった1月の平均気温3.5℃以上の地域が1950年には山手線の外側にまで広がり、さらに最近は八王子までと圏域が大きく拡大してきている。

 都市化が進むと、アスファルトやコンクリートが増え、水分の蒸発によって気温低下をもたらす農地・緑地・水辺が少なくなる。また建物が増え、都市の熱を吸収して気温低下を抑えるとともに、風による地面の熱の拡散を阻害する。さらに産業活動や業務活動に伴って人工的な熱が都市に排出される。これらによっていわゆるヒートアイランド現象が都市に見られるようになる(図録4342参照)。

 図録からは、歴史的な市街地の拡大によって東京のヒートアイランド化が進行して来ていることがうかがえる。

(2022年1月4日収録)


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