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 日本人はどんな音を好きなのであろうか。NHK放送文化研究所が行った初回の「日本人の好きなもの」調査(書籍)でこの点を調べているので取り上げた。

 1983年の調査データとかなり古いが、このテーマは余り時代の変化に左右されないだろうと考え、あえて収録することとした。関連して同年調査の「日本人の好きな自然」については図録4254参照。

 日本人が最も好きな音は「小川のせせらぎ」であるが、その他、「秋の虫の鳴き声」、「小鳥のさえずり」など自然の音が上位に来ている。「風鈴の音」や「お寺の鐘」など自然と一体化したような人工物の音も好きである。

 どんな自然の場所が好きかは、男女・年齢別にいろいろな特徴がある。男女別には、女性の方の値を棒グラフにピンクの横棒で示した。「小鳥のさえずり」や「風鈴の音」は女性の方が男性より好んでいる。男性の方が好んでいるのは「波がよせいる音」のほか、「船の汽笛の音」、「蒸気機関車の音」など乗り物の音が目立っている。

 表示選択では、男女・年齢別の結果は12位の「蒸気機関車の音」までの結果を折れ線グラフで示した。

 男女・年齢別の特徴をまとめると以下である。高齢者は、詩歌などに埋め込まれた文化的な音が好きなようであり、若者は大自然を感じられるような音が好きであるようだ。
高齢者ほど好きな音
秋の虫の鳴き声、風鈴の音、お寺の鐘の音
若者ほど好きな音
波が寄せる音、草原の風の音
年齢差の小さな音
わき水の音、雨だれの音
男性の方が好きな音
波が寄せる音、わき水の音、船の汽笛の音、蒸気機関車の音
女性の方が好きな音
小鳥のさえずり、風鈴の音、草原の風の音、ピアノを練習する音

(2024年9月12日収録)


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