外国出身では、モンゴルが25人と最も多く、その他はそう多くない。中国、ロシア、グルジアが2人だが、その他は、いずれも1人だけである。 これまでの外国出身力士については、30年ぶり2人目のカナダ人力士が春場所の新弟子検査を受検することが決まったのを受けて、外国人力士についてふれた東京新聞2015年2月27日の記事を以下に引用しよう。 「日本相撲協会によると、外国出身の力士はこえまで約180人。記録に残る力士では、1934年初場所で初土俵を踏んだ平賀(米国出身)が最初の外国出身力士。翌年には番付の出身地の欄に初めて「米国」と載った。 戦前は米国出身の力士が7人デビュー。そのほか番付には「朝鮮」「樺太」「台湾」の出身地で載っている力士もいたが、外国出身力士としては扱われていない。 戦後に入門した最初の外国出身力士は、64年春場所が初土俵の高見山(米国出身)。その後は米国、特にハワイ州からの入門者が相次ぎ、曙ら横綱、大関を生んだ。一方で中国や韓国、台湾など東アジアからもたびたび角界入り。カナダ人力士は85年九州場所初土俵の琴天太(後の琴天山)がいる。 ヨーロッパ出身力士は、英領だった香港を除けば、89年秋場所が初土俵の英ノ国(英国出身)が最初。その後はブルガリア出身の琴欧洲、エストニア出身の把瑠都の両大関らを輩出した。モンゴル出身力士は、今も幕内で活躍する旭天鵬らが92年春場所でデビュー。その後は続々と土俵に上がり、現在のモンゴル力士全盛時代に入った。 過去にはアルゼンチン、カザフスタン、チェコなどの出身力士もいた。」 モンゴル出身の横綱大鵬は、2010年に双葉山に次ぐ歴代2位の63連勝を記録し、2015年1月場所には大鵬が保持していた幕内最高優勝記録である32回を上回る33回目の優勝を果たし歴代1位となった。少なくとも相撲界は多くの渡来人とともに日本文化が形成された古代日本のような状況にあるといえよう。 (2009年段階のコメント:図は2番目の図のみだった) 日本の伝統競技、大相撲ではすっかり外国出身力士が主たる担い手となっている。日本出身力士は、2006年初場所に大関栃東が優勝して以来、誰も賜杯を手にしていない。これまでの間、朝青龍、白鵬、日馬富士といったモンゴル勢が19回優勝、そしてブルガリアの琴欧州が1回優勝となっている。
図では、出身国・地域別に外国出身力士の人数とそのうちの現役人数を掲げた。 歴代、そして現役の双方でモンゴル出身の人数が最も多い。歴代人数では、モンゴルについで、米国、ブラジル、韓国、台湾、中国と続いている。現役ではモンゴルに次いで中国の人数が多い。 戦後初の外国出身関取は1964年初土俵の米国ハワイ出身高見山である(最高位関脇)。1972年には外国出身力士初の幕内優勝を成し遂げている。 米国出身は高見山と曙、武蔵丸の両横綱を輩出したが、現役ではいない。 図で掲げた出身国を多い順に掲げるとモンゴル、米国、ブラジル、韓国、台湾、中国、トンガ、ロシア、グルジア、フィリピン、アルゼンチン、英国、エストニア、西サモア、ブルガリアである。 (2009年7月26日収録、7月29日現役力士数訂正、2015年2月27日新規の図とコメントを追加)
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