電子書籍でホンを読む人が増えている。文化庁の「国語に関する世論調査」における「電子書籍と紙の本のどちらを多く利用するか」という設問(対象者には電子書籍にせよ紙の本にせよそもそも本を読まない層を除外)の結果によってその動向を調べてみよう。

 2013年度には60.6%と6割を占めていた「紙の本・雑誌・漫画の方が多い」が5年後の2018年度には43.0%と約4割に減り、さらに10年後の2023年度には29.5%と約3割にまで減って来た。

 その結果、今や、電子書籍を紙の本と同等以上に利用する割合が7割となっている。

 電子書籍はフォントを大きくできる場合が多いので、目が見えづらくなった高齢者でも読みやすいので、高齢者で利用率が高いか確認するため年齢別のデータを見てみよう。

 すると70歳以上でも半数以上の者が電子書籍を紙の本と同等以上に利用していることが分かる。

 それでも若い世代の方が電子書籍の利用率は高く、20代では8割近くが電子書籍を紙の本と同等以上に利用している。もっとも10代では学校での読書指導の影響か電子書籍利用環境の経済的負担のためだと思われるが20代より紙の本を若干よく読んでいる。

 以上のような変化の背景の1つとして、コミックにおける紙コミックス、紙コミック誌、及び電子コミック(ウェブマンガ誌含む)の推定販売金額の推移を下図に掲げた。2019年から電子コミックが紙のコミックス・コミック誌を販売額で上回り、さらに2023年には2倍以上となっており、電子版の躍進が著しいことが分かる。


(2024年11月8日収録)


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