在学生(生徒・学生)の学業時間(自宅学習、塾学習を含む)の推移を社会生活基本調査の結果からグラフ化し掲げた。

 一番勉強の時間の長いのは中学生、そして高校生、小学生(高学年)、短大生・高専生と続き、大学生・大学院生は最も学業時間が短い。なお、大学生・大学院生のうち大学生は3時間24分、大学院生は3時間16分となっている(2016年にはそれぞれ3時間51分、5時間33分と特に大学院生はもっと長かった)。

 文部科学省はゆとり教育の推進として2002年度から公立学校の完全週5日制を実施した。このため土曜の授業時間は減っているが、平日の学校の授業や土曜の学校外の学業時間が増加したため、週平均の学業時間は、2001年から2006年にかけて、小学生は横ばい、中学生、高校生ではむしろ増加となっている。

 2007年度から安倍政権の下でゆとり教育の見直しが着手された。2006年から16年にかけて小中学生、高校生の学業時間が増加しているのは、この見直しの流れに応じているように見える。

 1980年代後半〜1990年代前半には、短大生・高専生、大学生・大学院生の学業時間が減少しており、大学のレジャーランド化の流れに沿った動きとも考えられる。その後、2000年代に入って、再び、これらの在学生の学業時間は増えており、大学も変化しているようである。近年の就職難や大学自体の取り組みの変化が影響していると思われる。

 2021年はコロナ禍の影響で小学生を除いて全体的に学業時間は縮小した。中学・高校より大学の在学生の減少幅が大きかった点にコロナの影響の内容がうかがえる。

(2009年8月31日収録、2012年10月1日更新、2017年9月26日更新、2022年11月23日更新)


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