大学のスケール感には、学生数やキャンパスの広さと並んで、大学図書館の蔵書数がかかわってくる。ここでは、各大学の図書館蔵書数を並べてみた。
大学図書館の蔵書数は、各大学の図書館の充実意欲もさることながら、大学自体の規模と長年の蓄積の両方によって決まると思われる。 第1位は、長らく日本のトップ大学の地位を保ってきている東京大学の945万冊であり、2位の京都大学、686万冊の1.4倍となっている。蔵書数から判断される教育・研究機能としては東西の2大拠点となっているといえよう。 第3位は、大学自体の規模が巨大な日本大学、3〜4位は、日本の私学の二雄である早稲田大学と慶応義塾大学となっている。 6位以下は、九州大学以下、かつての帝国大学が続いている。国立の神戸大学と広島大学は旧帝大ではないが、旧帝大並みの蔵書数を誇っている。 日大と早稲田、慶応に続く私大としては、立命館大学が、名古屋大学に次ぐ第13位の蔵書数となっている。 貸出冊数のランキングも付記したが、旧帝大は北海道大学を除いてすべて蔵書冊数ランキングを下回っており、よく言えば、資料的価値の大きな蔵書が多い、悪く言えば、死蔵された蔵書が多いことを示している。日本大学や東海大学といったマンモス大学でも貸出冊数のランキングは蔵書数ランキングを下回っており、この場合は、@図書館自体が学部等に分散しているため重複蔵書が多い、A同じ理由もあって教員の長期貸出が多い(私物化している)、B本を借りる学生が少ない、などといった状況である可能性があるため蔵書が有効利用されているとは言いがたいのではなかろうか。禁帯出書籍が多いかどうかも貸出数に影響している可能性がある。 逆に、貸出冊数のランキングが5位以上蔵書数ランキングを上回っているのは、立命館大、関西大、明治大、法政大、近畿大、同志社大といった中堅私立大学であり、国公立大学やマンモス私立大学と比べて蔵書が有効に利用されている様子がうかがえる。蔵書数が27位までに入らないが貸出冊数が27位以内の大学を図中の表で示したが、これらの大学にも同様の性格があろう。両者のランキングの差を有効利用のランキングと解するとしたら、同志社大の20が有効利用度トップとなる。
なお、取り上げた大学名は、蔵書数の多い順に、東京大、京都大、日本大、早稲田大、慶応義塾大、九州大、東北大、大阪大、北海道大、神戸大、広島大、名古屋大、立命館大、一橋大、筑波大、関西大、東海大、中央大、明治大、大阪市立大、法政大、近畿大、岡山大、龍谷大、天理大、首都大学東京、同志社大である。 (2011年3月24日収録、2014年7月1日更新、8月4日コメント補訂、2016年4月29日更新、2017年2月3日一時掲載止の後、広告を削除し再掲載) |
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