職業別に見ると、農林漁業者はあまり土日に関わりなく働いている。事務職・技術職(ホワイトカラー)が一番決まって日曜日に休んで平日に働いている。顧客対応で、百貨店やスーパーなどで日曜日も働かねばならない販売職・サービス職では、日曜日の労働時間が結構長くなっている。この場合、シフト勤務で平日の仕事時間はむしろ少なくなっている。自営業者でもそれに近いパターンが認められる。 技能職・作業職(ブルーカラー)は、1960年代から70年代前半にかけて、日曜日の労働時間が6時間から2時間に減ってきており、ホワイトカラーはそれ以前に日曜日は休むようになってきていたが、ブルーカラーについても日曜日をきちんと休めるようになってきたという動きが分かる。「1960年代の高度成長時代には、労働力が需要超過になり、小企業でも月2回の伝統的な休日(1日と15日)を週1回の休日に変えないと人手を確保できず、昼夜連続操業の装置産業でも3組3交代を4組3交代に切り替えて年間休日を増加させるなど、労働時間短縮の動きが広がった」(正村公宏「日本の危機」東洋経済新報社、2012年) また、1980年代後半から1990年代前半にかけては、勤め人の土曜日の労働時間が減少した点が目立っている。この時期の日本の労働時間の短縮は基本的には週休2日制の普及による休日の増加であって、平日の労働時間の短縮ではなかったということがはっきり分かる(図録3100、図録3120参照)。 1995年以降の動きとしては平日、土日ともに仕事時間がほぼ横ばいである点が目立っている。一方で、パート・アルバイトといった非正規職員や短時間就業者が増加していることから、他方で、長時間労働者も増加し、両者が相殺しあっていると考えられる。 2010〜15年の動きとしては、ブルーカラーで土曜の仕事時間が減少し、ホワイトカラーに近づいている点が特徴である。 (2007年2月5日更新、2011年3月16日更新、2013年2月5日正村著作引用、2016年3月11日更新)
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