グラフは時系列と企業規模の両方の結果を示した。 時系列では、1位の「家庭責任を考慮する必要がある」はやや増加傾向にあるのに対して、2位〜4位がいずれも縮小傾向にある点が目立っている。女性が働きながら「家庭責任」を果たせる環境が整えば、女性の活躍が、ますます期待できる状況にはなってきているといえよう。 こうした企業から見た女性活用の制約条件については、「家庭責任を考慮する必要がある」のように企業規模で差がない項目と「時間外労働、深夜労働をさせにくい」のように大企業と中小企業で大きな差がある項目とがある点が興味深い。 「時間外労働、深夜労働をさせにくい」は大企業より中小企業で大きな制約と捉えている。逆に、意識の問題、すなわち「中間管理職の男性や同僚の男性の認識、理解が不十分である」や「顧客や取引先を含め社会一般の理解が不十分である」は中小企業ではほとんど問題としていない反面、大企業では大きな制約条件としているのが目立っている。 まとめると、企業にとって女性は、「家族」、「勤続年数」、「残業」の問題から活用しにくいとしている。職場の男性や顧客等、周囲の理解については中小企業は余り問題としていないが大企業は大きな制約としている。しかし、「家族」以外では、全体として、問題は縮小してきている。 なお、選択肢の1つにあるポジティブ・アクションとは「女性の能力発揮促進のための企業の積極的取組」のことであり、過去の雇用慣行や性別役割分担意識などが原因で男女労働者の間に事実上生じている格差の解消を目的として行う「女性の積極登用」、「人事考課基準の明確化」、「パートの正社員化」などの措置である。 (2007年8月31日収録、2013年8月5日更新)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|