2001年から2012年にかけて、「業績・成果」という回答が、管理職についても、管理職以外についても、低下しており、成果主義の見直しが進んでいることがうかがえる。 一方、だからといって、以前、重視されていた「年齢・勤続等」、あるいは「学歴」に回帰した訳ではない。それらの値も基本的には同期間に大きく低下している。ただし管理職以外では「年齢・勤続等」が2009〜12年に増加しており、従来型の復活を印象づけるかたちとなっている。 残るは「職務・職種」であり、これについては回答率がやや上昇ないし横ばいの傾向である。 成果主義は、目標管理という手法も登場したが、何で成果を計るか、成果を計れる職種とそうでない職種の公平感、誰が成果を計るか、適切な成果基準を作れるか、結局上司の判断(恣意)次第ではないか、等の問題からなかなか普及しないのだと思われる。成果主義を重視した小泉政権下の改革路線が見直されている影響もあると考えられる。 一方、グラフには掲げていないが、2009年調査から新たに調査項目となった賞与(ボーナス)の決定要素については、「業績・成果」を基準としている企業が、2009年及び2012年について、管理職については、それぞれ、57.6%、54.1%、管理職以外については、58.9%、51.0%となっている。いずれも5割を越えており、成果主義は賞与については定着しているようにも見えるが、一方で、過去3年で低下傾向が見られ基本給と同様やや見直されていることが分かる。 少なくとも基本給について、実力、貢献度を、職種や職務による基準で計るしかないというところに向かっているため、昇進や配属、転属といった点がこれまで以上に社員の重大関心事となっていると考えられる。 (2009年11月16日収録、2013年1月7日更新、1月15日修正)
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