多くの職種で300〜500万円が年収水準。 1000万円を越す高年収職種は医師、大学教授、航空機操縦士(パイロット)。歯科医師も2005年当時はこれに近かったが、現在では、かなり下がってしまっている。 これに次ぐ800万円かそれに近い高収入職種としては、弁護士、公認会計士・税理士、不動産鑑定士、記者があげられる。記者を除くといわゆる士業(注)と呼ばれる職種である。 (注)士業とは、弁護士や社会保険労務士など、専門的な資格が必要な職業の俗称であり、資格名称の末尾が「士」で終わるため士業(サムライ業とも)と呼ばれる。職務上、戸籍・住民票などが必要な場合に請求できる請求権が認められている「8士業」は、弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、海事代理士である。また、8士業から海事代理士を除き、公認会計士、中小企業診断士、不動産鑑定士の3つを加えたものを「10士業」と呼ぶ。 逆に300万円を下回る低収入職種として目立っているのは、スーパー店チェッカー(レジ係)、洗たく工、調理士見習、洋裁工、ミシン縫製工、ビル清掃員、用務員などである。図のデータは男女計であるが、女性比率が多い職種では給与の男女差が反映して低収入職種として目立つ傾向があろう。 一部の職種を除いて年収は減少傾向にある。2005〜2012年の減少職種数は全体129職種のうち87職種と多く、2012〜2019年には21職種となっている。 2012年(あるいは2005年)からの減少が目立っているのは、歯科医師、電車車掌、航空機客室乗務員(キャビンアテンダント)、鉄鋼熱処理工など金属工、発電・変電工、用務員などである。 逆に2012年(あるいは2005年)からの上昇が目立つのは、技術士、一級建築士、弁護士、不動産鑑定士、記者、航空機操縦士(パイロット)、陶磁器工、自動車組立工、クレーン運転工、掘削・発破工、鉄筋工、配管工などである。新聞雑誌業界は苦境にあるとされる一方で記者の年収が上昇しているのは奇妙である。 なお、理学療法士・作業療法士というリハビリ職の給与が同じ医療関連職でも看護師、薬剤師などと比較して伸びて行かない点が記事(下図)になったときにもこのデータが使われていた。 検索を考えて、取り上げた129職種を掲げておくと、図の順番に、自然科学系研究者、化学分析員、技術士、一級建築士、測量技術者、システム・エンジニア、プログラマー、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、看護師、准看護師、看護補助者、診療放射線・診療X線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士、栄養士、保育士(保母・保父)、介護支援専門員(ケアマネ)、ホームヘルパー、福祉施設介護員、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士、幼稚園教諭、高等学校教員、大学教授、大学准教授、大学講師、各種学校・専修学校教員、個人教師、塾・予備校講師、記者、デザイナー、ワープロ・オペレーター、キーパンチャー、電子計算機オペレーター、百貨店店員、販売店員(百貨店店員以外)、スーパー店チェッカー、自動車外交販売員、家庭用品外交販売員、保険外交員、理容・美容師、洗たく工、調理士、調理士見習、給仕従事者、娯楽接客員、警備員、守衛、電車運転士、電車車掌、旅客掛、自家用乗用自動車運転者、自家用トラック運転者、タクシー運転者、営業用バス運転者、営業用大型トラック運転者、営業用普通小型トラック運転者、航空機操縦士、航空機客室乗務員、製鋼工、非鉄金属精錬工、鋳物工、型鍛造工、鉄鋼熱処理工、圧延伸張工、金属検査工、一般化学工、化繊紡糸工、ガラス製品工、陶磁器工、旋盤工、フライス盤工、金属プレス工、鉄工、板金工、電気めっき工、バフ研磨工、仕上工、溶接工、機械組立工、機械検査工、機械修理工、重電機器組立工、通信機器組立工、半導体チップ製造工、プリント配線工、軽電機器検査工、自動車組立工、自動車整備工、パン洋生菓子製造工、精紡工、織布工、洋裁工、ミシン縫製工、製材工、木型工、家具工、建具製造工、製紙工、紙器工、プロセス製版工、オフセット印刷工、合成樹脂製品成形工、金属・建築塗装工、機械製図工、ボイラー工、クレーン運転工、建設機械運転工、玉掛け作業員、発電・変電工、電気工、掘削・発破工、型枠大工、とび工、鉄筋工、大工、左官、配管工、はつり工、土工、港湾荷役作業員、ビル清掃員、用務員である。 (2012年10月12日収録、10月15日コメント、関連図録追加、10月22日労働者数の少ない職種のコメント追加、2024年2月12日リハビリ職給与伸び悩み、2025年1月8日表・労働者数10人以上の職種(人)の表題・データ修正、更新、旧版を図録3326bとして保存)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|