国際共同調査として毎年行われているISSP調査の2015年調査は「仕事」をテーマとしており、その中で、パワハラを受けたことがあるかを調べている。調査ではパワハラと言う用語は使われていないが、職場の上司からのいじめ、嫌がらせに加えて同僚などからのものを含め、広い意味でのパワハラが調べられているといえる(注)。なお、2015年より前の「仕事」がテーマのISSP調査では同じ設問がないので時系列比較はできない。

(注)パワハラの定義や日本の現状は図録3265参照

 日本のパワハラ比率は25.3%と世界37か国中上から第4位であり、主要先進国(G7)の中では最も高くなっている。

 世界各国の中でもっともパワハラが多いのはインドであり、オーストラリアとニュージーランドというオセアニア諸国がこれに次いでいる。

 主要先進国(G7)の中では、日本に次いでフランスが24.2%とほぼ同じ水準で続いており、米国と英国が10%台後半、ドイツがほぼ10%となっている。

 全体傾向としては、インド、中国を除くと上位はOECD諸国で占められており、逆に、旧ソ連諸国や途上国ではパワハラが少ないようである。

 男女別に見ると、日本の場合は、男性が20.5%に対して女性は30.7%であり、女性の方がパワハラを受けやすくなっている。

 世界的に見ても、多くの国で女性の方がパワハラ率が高くなっている。日本とほぼパワハラ率が同レベルのフランスでは男女の差がほとんどない点が日本と大きく異なっている。

(2019年3月15日収録)


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