ここで非正社員には、派遣労働者は含まない。非正社員のうち、労働時間が短い者を「パート」とし、それ以外で、労働時間が正社員並みかそれ以上の者を「その他」としている。(なお、数字の出所である厚生労働省の調査ではここで非正社員としている労働者を「パート等労働者」と呼んでいる。) パートを雇用している事業所は事業所全体のうち57.9%(2006年の場合)と約6割あるが、こうした事業所のうち、正社員並みの職務に従事するパートがいない事業者は半分以下の47.1%である。また正社員並みの職務に従事するパートがパート全体の5割以上を占める事業所は18.2%と約2割ある。 2001年からの変化をみると正社員並みの職務従事のパートの割合は大きく増加していることがうかがえる。 契約社員や嘱託などとして労働時間が正社員並みかそれ以上の非正社員を雇っている事業所は17.1%とパートを雇用している事業所よりは少ない(2006年)。そうした事業所のうち正社員並みの職務に従事している「その他」がいない事業所は29.7%と3割以下である。逆に「その他」の中でそうした者が5割以上を占める事業所が約4割もある。 パート以外の正社員についての2001年からの変化もパートと同様である。 このように、企業が、正社員に代えて、正社員並みの仕事をさせるパート等の非正社員を増加させていることが明解に見てとれる。同一労働同一賃金の原則からは正社員とパート等労働者との賃金格差は狭まっていなければならない。 別の調査項目では、正社員並みの職務に従事しているのに「時間当たりの賃金額に差がある」とした事業所は「パート」では81.7%、「その他」で71.3%となっている。理由としては、「勤務時間の自由度が違う」「正社員は企業への貢献が期待できる」などが多かった。 なお、2011年以降は同じ設問がなくなったようなので時系列変化が追えなくなった。 (2007年12月14日収録、2015年10月9日2011年以降調査について)
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