消費者行政を一元化する消費者庁設置関連法は衆議院での可決に続いて、2009年5月29日午後の参院本会議で全会一致で可決、成立した。これは詐欺商法、インチキ商品、欠陥商品・設備、偽装表示などによる消費者被害が横行しているのに対して行政が一本化されていなかったため対応が不十分であったことへ反省に立っている。

 日本における消費者被害事件の発生率は海外に比べて多いのか少ないのか。そこで、国連機関が行っている国際犯罪被害者調査の結果から消費者被害(Consumer fraud)を過去1年間に経験した者の割合を各国比較したグラフを作成した(データはOECD Factbook 2009による)。

 日本でも消費者を騙して稼ごうというたくらみがずいぶん増えていると感じられるが、海外は日本どころの騒ぎではないらしい。日本の消費者被害の被害者率は1.9%とOECD諸国の中で最低となっている。OECD平均では10.4%と5倍以上の高さとなっており、ドイツや米国はそれ以上である。

 OECD諸国の中でも消費者被害の割合は、国によって大きく異なっており、最も高いのはギリシャの24.7%、実に4人に1人は過去1年間に被害にあっている。日本が最も低いが、フィンランドやイタリアなども5%台と低い。

 なお、消費者被害の国内調査結果については、内閣府の国民生活選好度調査によれば、2006年度、2007年度に商品やサービスについ ての被害や振り込め詐欺の被害にあった者は、それぞれ、2.6%、1.8%であった。上記国際共通調査とほぼ同じ被害率となっていることが分かる。

 比較対象は24カ国であり、被害率の低い順に、日本、フィンランド、イタリア、オランダ、メキシコ、スイス、カナダ、ニュージーランド、ベルギー、アイルランド、オーストリア、ポルトガル、ノルウェー、ルクセンブルク、フランス、OECD平均、スペイン、ドイツ、米国、アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ポーランド、ハンガリー、ギリシャである。

(2009年5月29日収録、6月22日国内調査結果引用)


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