ここでは、毎年の熱中症死亡者数の推移を猛暑日の日数(東京、大阪)とともにグラフにした。なお、東京の猛暑日の日数の推移は図録4350にも掲載している。

 2023年の夏は東京では戦後一番の暑さとなった(猛暑日過去最多)。熱中症死亡者数もおそらく多くなっていると考えられる。

 2018年の夏は戦後一番という暑さだった(図録4349)。熱中症死亡者数も1,581人と2010年に次いで多かった。

 2013年の熱中症死亡者は1,077人と2010年当時よりは減少した。2010年の反省から事前に個人や行政で対策が取られるようになったからであろう。

 2010年の夏は記録的な猛暑の影響で熱中症で救急搬送された人が5万4千人、熱中症で死亡した者が1,731人(年間)にのぼった。福島第一原発事故の影響で2011年の夏は節電の夏となることが見込まれたことから暑さ対策が重要な課題となった。

 熱中症は、蒸し暑い環境の下で、血液中の水分や塩分(ナトリウム)の喪失による脱水状況から発生する以下のような健康障害(発熱性疾患とやけどは除く)である。

T度(軽症)めまいや失神、筋肉の硬直
U度(中等症)頭痛や吐き気、倦怠感、虚脱感
V度(重症)熱射病「言動がおかしく、呼びかけに対して返事がない」「真っ直ぐに歩けない」など

 中でも増えているのが高齢者の熱中症である(下図参照)。高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくいので暑さを避けたり水分を補給することが遅れがちとなるので注意が必要である。熱中症による死亡者に占める65歳以上の割合も2010年までは上昇し、その後、横ばいとなっている(下図)。

 熱中症による死亡数の推移を見ると猛暑日や熱帯夜が多かった年に多くなっているが、以前より、暑さの影響で熱中症により死亡する者は増加している。高齢者人口の増加が理由のひとつといえよう。


(2011年6月13日収録、2014年2月7日更新、11月7日更新、2015年6月14日更新、2016年2月4日更新、9月9日更新、死亡者65歳以上比率、2017年2月7日更新、2018年7月16日更新、東京の熱帯夜の代わりに大阪の猛暑日を掲載、9月7日更新、2019年2月6日更新、12月20日更新、2020年2月15日更新、9月20日更新。2023年8月1日更新、9月16日更新)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 健康
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)