1.はじめに ここでは、こうした感染症全般を監視するため行われている感染症情報センターの感染症発生動向調査からインフルエンザについての週別発生状況をグラフにした。 2.経過 定点当たり1を超えると「インフルエンザ流行入り」として注意喚起されることとなっている。8月10日からはじまる週から1を超えている。
8月17日〜23日の週以降は発生状態は横ばい状態に転じていたが、9月7日〜13日の週は3.21、9月14日〜20日には4.95と流行レベルが急速に上昇している。学校が夏休み明けとなった影響が大きい。学級閉鎖なども増えた。 9月21日〜27日は4.25と低下したが、患者発生数の減少というよりも、この週の前半が大型連休と重なり、多くの定点医療機関が休診していた影響によるものと推測される。実際9月28日〜10月4日の週には再度6.40へ上昇している。 10月5日からの週では12.92と一気に前週から2倍以上に上昇し、流行が本格化している。「定点あたりの人数が10人を超えると、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性がある「注意報」が出される。これまでも大都市圏を中心に注意報が出た地域はあったが、全国平均で注意報レベルを超えたことになる。」(産経新聞2009.10.16) その後も週を追う毎に流行の程度は激しくなり、10月26日〜11月1日の週には33.28とついに本格的な流行を示す警報レベルを超えた。11月2日〜8日の週には32.76とやや低下したが、この週に祝日があったことも影響していると考えられる。11月23日からの週は39.63とピークを更新したが伸びは弱まっている。 11月30日からの週では31.82と大きく減少し、新型インフルエンザは流行のピークを過ぎたと思われる。12月7日からの週でも27.39と2週連続で減少し、国立感染症研究所感染症情報センターも「第33週(8/10からの週)に定点当たり報告数が1.00を超えて始まった今回の秋季に大きな増加がみられた流行は、そのピークを過ぎつつあるものと考えられる。」と記述するに至った。12月28日からの週は5週連続の減少となった。もっともこの週の減少は年末年始に当たり、大半の定点医療機関で休診日が多かったことも影響している。 その後も減少傾向が続き、3月1日からの週では1を下回りインフルエンザの流行は終わったともいえる。 以下に、ピーク週の定点当たり患者数の推移を含め過去のインフルエンザの流行の動きを図示した。新型インフルエンザの流行は、過去の季節性インフルエンザのピーク水準とほぼ同等の水準でピークを打ったといえよう。 3.地域別の状況 参考図で地域別の状況を見ると他県に先駆けて流行の激しかった沖縄では定点当たり報告数が低下し再度上昇、また低下している。
北海道の後、東京、愛知、福井とピークを記録したのちいずれも大きく低下している。 4.参考 保健所単位に以下の仕組みで警報、注意報が出されることになっている。
(資料)国立感染症研究所感染症情報センター「インフルエンザ流行レベルマップ」 (2009年9月9日収録、9/11・9/18更新、9/26更新・地域図も掲載、10/3・10/9・10/16・10/23・10/30・11/6更新、11/7過去のピーク週状況を追加、11/13・11/20・11/27・12/4・12/18更新、2010年1/7・1/12・1/22・1/29・2/8・2/13・2/19・2/26・3/13・3/26・4/16更新)
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