労働力調査や国勢調査では過去1週間仕事をしたか(あるいは仕事を探していたか)で労働力人口を算出し、人口で割って労働力率を出している。ここで使用した就業構造基本調査では、普段仕事をしているかどうかで有業者か無業者かを算出し、やはり人口で割って有業率を出している。労働力率と有業率とは調べ方は異なるがほぼ同様の概念である。 女性の年齢別有業率のグラフにはやはりM字カーブが認められ、1982年から2002年への変化を見ると切れ込みは緩やかになっている。 しかし、有業者の内訳をみると、有業率が上昇しているのは主として「独身・子どもなし」の女性で働いている者が増えているからであって、「子どもあり」の女性の有業率が上昇しているからではないことが明らかである。 すなわち、晩婚化によって未婚有業者が増えているためであり、結婚・出産した女性が継続就業あるいは再就業できる環境が整ってきたことによるわけではないことが見てとれる。いわば出生率を犠牲にして女性就業率が上がっているわけであり、社会の将来性の確保の観点からは、いびつな状況と言わざるを得ないであろう。
(2007年7月31日収録)
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