2013年の国際意識調査(ISSP調査)では世界33カ国を対象に、移民に自国民の仕事が奪われているかに関する設問がもうけられていた。2015年以降のイラク・シリア難民のヨーロッパへの大量流入はまだ起っていない時期だが、グローバリゼーションやEU加盟国拡大の流れの中で中東情勢の不安定が続き世界の移民流動は拡大傾向にあった。 各国をEUとそれ以外に分けて「そう思う」(どちらかといえばを含む)の多い順に並べて結果を示した。 EUでもEU以外でも国によって差が大きい点がまず目立っている。EUでは、チェコの68.4%が奪われていると回答しているのに対してスウェーデンは12.7%しかそうは思っていない。EU以外の最高と最低は南アフリカの68.5%とノルウェーの11.3%である。 日本は13.6%とノルウェー、スウェーデンについで移民に仕事を奪われていると考えている者は少ない。 EU主要国の中では英国が仕事を奪われていると思う者が51.3%と最も多く、スペインの45.1%、フランスの27.8%がこれに次ぎ、ドイツは22.1%とスウェーデンを除くと最もそう思う者の割合が低い。 G7諸国の中でも英国が51.3%と過半数を越えているのが目立っている。米国はこれに次ぐ34.8%であり、約3分の1を占めている。ドイツは22.1%と日本ほどではないが低い割合となっている。 対象55カ国を、図の並びで掲げると、チェコ、スロバキア、ラトビア、ポルトガル、リトアニア、ハンガリー、英国、クロアチア、スペイン、スロベニア、ベルギー、アイルランド、エストニア、フランス、フィンランド、デンマーク、ドイツ、スウェーデン(以上EU)、南アフリカ、インド、ロシア、トルコ、台湾、ジョージア、イスラエル、フィリピン、米国、メキシコ、スイス、韓国、アイスランド、日本、ノルウェー(以上EU以外)である。 (2016年6月28日収録)
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