ここでは、日本人の好きなお菓子・デザート(スイーツ)についてランキングをかかげた。資料はNHK放送文化研究所世論調査部「日本人の好きなもの」(2008年)である。 好きなお菓子・デザート・ベスト20はランクの高い順位に、アイスクリーム、チョコレート、プリン、チーズケーキ、ショートケーキ、ヨーグルト、大福、あられ・せんべい、桜もち・かしわもち、おはぎ、エクレア・シュークリーム、だんご、カステラ、今川焼き・たい焼き、ポテトチップ、モンブラン、ドーナツ、どら焼き、ホットケーキ、まんじゅうである。 性別、年齢にかかわらず好まれているアイスクリーム、チョコレートが上位2位を占めている。5位のショートケーキまではいずれも50%を超えており、半数以上の日本人が好きだと答えている。 男女年齢別のランキングをみると、まず、10位までの全体的な回答率水準の高低において、高年層より若年層で、また男性より女性で回答率水準が高く、「お菓子・デザート好き」となっているのが目立つ。1位から10位までの回答率は男60歳以上では55%〜43%であるのに対して、女16〜29歳は79%〜54%であり、大きな水準差が認められる。中高年のおじさんと若い女性とでは甘いものへの意欲が大きく異なるのである。 男女年齢ごとに第1位の品目が総て異なっている点も目を引く。 好きなお菓子・デザート第1位
好きなお菓子・デザートの種類としては、若年層では洋風のお菓子・デザートがほとんどで10位までに和風お菓子が登場していないのに対して、男性高年層の1位は大福、女性高年層の1位はおはぎとなっているなど、高年層は和風お菓子・デザートが中心を占めている。 私的な経験を言えば、男の高年層の第10位に顔を出している「ところてん」を小学生の頃外で食べて本当に美味しいなあと感じたことを思い出すが、今の人がそんな経験をする環境にはないことは確かである。これだけ甘いものが普及すると、古い洋風菓子の「カステラ」などに対する昔の感動を今の人が味わう環境にはないと言わざるを得ない。 1945生、神奈川県出身の作詞家、阿木燿子は書いている。「寒天を使った食べ物が好 きで、子供のころは駄菓子屋でいつもところてんを食べていました。専用の器具でキ ュッと押すと、出てくるのが楽しくて。...父母に連れられて夏の夜店に行き、お皿に 盛られたところてんを食べました。その涼やかな感じと、浴衣と金魚すくい。そうい う光景をよく覚えています。ところてんは夏の幼い日の、幸せの象徴です。」(毎日 新聞夕刊2008.1.15) 好きな野菜(図録0334)などと比べると、お菓子・デザートは時代の変化や世代の交替を色濃く反映する食のジャンルといえる。 (2008年9月17日収録、2015年9月26日補訂)
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