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 TBSテレビは2023年2月に、ヨーロッパの体験型旅行サイト「Taste Atlas」が登録している旅行者・料理評論家が実際に食べた結果の投票をまとめた「世界の伝統料理ベスト100」(昨年12月公表)の内容を報じた。これにもとづくネット記事の見出しは、

世界の伝統料理第1位に“日本のカレー”!「なんで伝統料理〜」「インドカレーよりも〜」

であり、この点がめずらしく放映に至ったもののようだ(注)

(注)カレーも豆腐の道をたどっている。豆腐は9世紀ごろ中国から伝来した食べものであるが、江戸時代までに冷奴などやわらかい豆腐料理が開発されるなどして徐々に日本に定着するに至った。まちに豆腐屋ができたのも戦後になってからであると言われる。「真正インド料理のカラーライスがみごとに変身して、今日では準(さすがに純とはいえないが)日本料理になってしまったように、豆腐もいまでは純日本食品だ」(篠田統「豆腐」『食物誌』中公新書、1975年、p.15)。

 このベスト100を原サイトで詳しく見てみると確かに「伝統料理」というより「地元料理」とでも言った方がよい内容であるが、チョイス自体はなかなか興味深いので、ランニング30位までを図録にした。

 サイトへの投稿者がどこのカレーを食べ、高い評価を与えて日本のカレーが1位になっているかを調べると、まず札幌のスープカレー店のカレーが多く掲げられており、これに東京や横浜の名物カレーやカレーパン、さらにロンドンや米国ポートランドやニューヨークのカレー店のカレーにまで対象が及んでいる。例えば、サイトが掲げている日本のカレーの紹介画像を図録にも再録したが、これは Lonely Planetさんが推薦している米国ポートランドの旧市街チャイナタウンにある「Kale」という店の和風カレーである(ここ)。

 1位は日本のカレーだが、カレーは発祥地インドだけでなく世界で大人気であり、ランキングTOP100のうち世界各国の多くのカレーが以下のようにランクインしている。
  • 1位 カレー(日本)
  • 6位 パネーンカレー(タイ)ココナッツミルクのカレー
  • 28位 シャヒパニール(インド)パンなどと食べるトマトチーズカレー
  • 40位 マッサマンカレー(タイ)上質な甘みの鶏肉カレー
  • 43位 カレーライス(日本)
  • 53位 バターチキン(インド)
  • 55位 コルマ(インド)ナッツ類やヨーグルトなどを加えたカレー
  • 73位 グリーンカレー(タイ)
 2位はブラジルの「ピッカーニャ」。長い串に刺したブロック肉を炭火でじっくりと焼きあげたシュラスコであり、ブラジル式のバーベキューで食べる牛肉。部位としては“イチボ”。腰からお尻の赤身の肉。シュラスコを提供する「バルバッコア」広報によると「10種類以上の部位の中でピッカーニャが1番人気」、「肉質は柔らかく脂と赤身のバランスが良い。牛の味を存分に楽しめます」とのこと。和牛よりも脂身も少ないので、より赤身の印象が強い味だということである(注)

(注)ブラジルには「泥沼にはまった牛=ヴァカ・アトラーダ」という料理もあり、29位にランクインしている。日本で言う「肉じゃが」で、実際にブラジル出身の方に聞くと、塩とニンニクで味付けをしていて、ブラジルでよく採れる“キャッサバ”という根菜でとろみがついて、泥沼のような感じ。家庭ごとに味が違うそうである。

 第3位はポルトガルの「アメイジョアス・ア・ブリャンオ・パット」。日本でいえば「アサリの酒蒸し」。味付けは白ワイン・オリーブオイル・レモン汁・ニンニク・コリアンダーなどを使って蒸す。パンと一緒に楽しむ前菜である。

100位までの伝統料理の国別カウント
イタリア 15 メキシコ 3 アルゼンチン 1
日本 12 タイ 3 ボスニア・ヘ
ルツェゴビナ
1
トルコ 11 スペイン 2
ギリシャ 9 チェコ 2 キプロス 1
中国 8 ジョージア 2 イラン 1
ペルー 6 フィリピン 2 プエルトリコ 1
インド 5 ポーランド 2 セルビア 1
ブラジル 4 フランス 1 韓国 1
ポルトガル 4 米国 1 スイス 1

 原資料ページに掲げらた100位までの料理数を国別に集計すると、イタリアが15と最も多く、日本、トルコ、ギリシャ、中国がそれぞれ、12、11、9、8で続いている。

 欧米諸国はイタリアを除くと数が少ない点が目立っている。英国やドイツといった主要国では1料理も登場しない。欧米のサイトなので、欧米料理がめずらしくないのか、あるいは実際に評価点の高いおいしい料理がイタリア以外の欧米にはないのかである。

 米国の料理として何があがっているかも見ると、何と「Uramaki」(91位)、すなわち「裏巻き」、のり巻きののりが内側に逆転した巻きずしであり、カリフォルニアロールとも呼ばれる日本の握り寿司を「発展」させた料理である。

 日本の料理は12品が100位までにランクインしている。1位の「カレー」は「カレーうどん」、「スープカレー」、「カツカレー」、「カレーパン」なども含めてカレー全般であり、「カレーライス」は別で43位にランクインしている。

 日本の料理12品は以下の通り。

1位 カレー 47位 餃子
21位 豚骨ラーメン 54位 焼うどん
30位 カツ丼 56位 エビフライ
43位 カレーライス 67位 牛丼
44位 醤油ラーメン 83位 味噌ラーメン
46位 サーモンの握り寿司 85位 塩ラーメン

 ラーメンの4品目が別々にランクインしているのが目立っている。海外旅行でヨーロッパなどに行くとラーメン店にもずらっと並んでいたり、特にとんこつも人気だったりするので、外国人もラーメンは美味しいと感じているのであろう。

 片や、寿司がサーモンの握りだけというのは日本人にとってはいくら何でも物足りない結果である(図録0332「日本人の好きな料理ランキング」参照)。

 なお、「Taste Atlas」サイトでは、国別の料理ランキングも発表している。以下に結果を掲げたが、やはり英国は登場しないようである。いずれも宮廷料理として発展し、その国の支配下にある地域を中心に広がって行ったことなどから「フランス料理」、「中華料理」、「トルコ料理」が世界三大料理と言われている。しかし、現代の旅行者や料理評論家などの人気度をあらわす下のランキングとはかなり異なっている。

各国料理ランキング2022
1.イタリア料理(4.72) 11.中国料理(4.49)
2.ギリシャ料理(4.68) 12.ブラジル料理(4.49)
3.スペイン料理(4.59) 13.ポルトガル料理(4.47)
4.日本料理(4.59) 14.ポーランド料理(4.44)
5.インド料理(4.54) 15.ドイツ料理(4.37)
6.メキシコ料理(4.53) 16.インドネシア料理(4.37)
7.トルコ料理(4.52) 17.クロアチア料理(4.33)
8.米国料理(4.51) 18.アルゼンチン料理(4.33)
9.フランス料理(4.51) 19.韓国料理(4.31)
10.ペルー料理(4.51) 20.ベトナム料理(4.31)

 図に掲げた上位30位の伝統料理名を国名とともに記すと以下である。カレー(日本)、ピッカーニャ(ブラジル)、アメイジョアス・ア・ブリャンオ・パット(ポルトガル)、湯包(中国)、餃子(中国)、パネーンカレー(タイ)、セビーチェミックス(ペルー)、ゴルメサブジ(イラン)、ジャージェバブ(トルコ)、ポジョ・ア・ラ・ブラサ(ペルー)、マルゲリータ・ピッツァ(イタリア) 、小籠包(中国)、ガンバス・アル・アヒージョ(スペイン)、シシカバブ(トルコ)、パイダキア(ギリシャ)、ピエロギ・ルスキエ(ポーランド)、コチニータ・ピビル(メキシコ)、叉焼包(中国)、パッパルデッレ(イタリア)、カーニタス(メキシコ)、豚骨ラーメン(日本)、マンティ(トルコ)、ラクレット(スイス)、トロフィエ・バジリコソース(イタリア)、カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテージャーナ(ポルトガル)、ペチェナー・カフナ(チェコ)、えびの鉄板焼(スペイン)、シャヒパニール(インド)、ヴァカ・アトラーダ(ブラジル)、カツ丼(日本)。

(2023年2月14日収録)


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