その後、新聞の内閣支持率データは過去に遡って簡単に得られる訳ではないので、データが容易に遡ってたどれるNHK放送文化研究所の政治意識月例調査(NHKの放送で報道されるもの)に原データを変更し、その後も対比を継続している(最近までの推移は図録5236a参照)。 各内閣の発足年月
小泉内閣以降は、短命内閣が続いているが、菅内閣も支持率の低下が著しい。他の短命内閣と異なってジェットコースターのようなアップダウンの激しさが印象的であったが、その後、傾向的低落が続き、8ヶ月後にはついに鳩山内閣最後と同じ21%にまで達した。その後、3月11日に東日本大震災がおこりやや回復するもなお政権運営は低迷・混乱を続け、7月にはついに16%へ。 (これまでの推移) 就任当初のご祝儀相場は、7月11日投票の参院選で、民主党の政権運営を批判されて敗北した後の7月世論調査で大きく後退した(図録j001参照)。その後、9月14日投開票の民主党代表選へ向け脱小沢を鮮明にして戦った結果、支持率は急回復した。しかし、折から起こった尖閣諸島沖中国漁船衝突事件で同月24日に那覇地検の判断で船長を釈放するという処理などに国民が幻滅し、10月の支持率は再び急落。国会答弁を軽視するような柳田稔法相の発言(11月14日)で法相が辞任、などを通じさらに支持率が低下している。2011年1月、4日の年頭記者会見の対小沢出処進退発言などでやや支持率回復。2月は小沢処分のどうどうめぐり、メドベージェフ大統領の北方領土訪問への「許し難い暴挙」発言(2月7日)などで更に21%へと悪化。 さらに専業主婦の年金切り替え漏れ問題で厚労大臣が処分され(3月8日)、また外国人からの違法献金問題が浮上し(3月11日)、一層の支持率低下が予想された。 ここで、3月11日に東日本大震災、福島第1原発事故がおきる。未曽有の危機に際し内閣支持率回復するも、電話で谷垣自民党総裁に入閣要請したのも国難利用の政権維持策ととられ、国の危機対応についての指導力の弱さとあいまって、回復幅は小幅に止まる。NHK調査によると、民主党の支持率は2月から4月に20.2%から19.2%へと低下しているので、大震災がなければ内閣支持率はさらに低下していたと思われる。 5月6日には浜岡原発停止要請を行ったことにより、5月支持率は微増となった(大英断という声もある一方、政権保持目的が見え透いていると取られているため微増に止まった)。5月20日には原発事故当初首相が海水注入を中断させたとする福島第1原発の海水注入問題が報道されはじめ、政府見解が2転3転する中で、26日現場所長が注入継続していたことが明らかになった。そして6月2日、内閣不信任案、首相の「一定のメド」後の退陣表明を受け否決されたが、退陣の時期はあいまいになったまま推移。6月12日「菅の顔が見たくなかったら自然エネルギー買取法案を国会で通せ」発言。6月27日には自民党を離党した浜田和幸参議院議員を総務大臣政務官に任命、与野党から批判相次ぐ。7月5日には被災地における放言により在任9日目で松本龍復興相が辞任、首相の任命責任が問われる。7月6日には玄海原発再稼働はストレステスト前提と突如表明し閣内不統一が批判の的に。 7月の内閣支持率は16%(不支持率68%)と麻生内閣の最終支持率15%に迫った。同月、民主党と自民党の支持率もそれぞれ13.6%、23.4%と大きく逆転したので、民主党内に何らかの動きが出る可能性も高まる。 民主党政権で辞任・罷免の閣僚
NHK政治意識月例調査の調査日
(2010年11月23日収録、12月16日更新、出所を毎日からNHKへ変更、12月20日経緯追加、2011年1月12日更新、1月14日各内閣発足年月追加、2月15日更新、4月19日更新、5月17日更新、6月14日更新、7月7日コメント追加、7月11日更新、8月9日更新、2020年9月16日自民党菅内閣成立につきタイトルに「民主党」を付加)
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