社会実情データ図録サイトのシンボルをフクロウとした。ヘーゲルが「法の哲学」の序文で、「ミネルバの梟は黄昏に飛び立つ」という言葉を記しているのを受けたシンボル化である。

 ローマ神話の女神ミネルバは、技術や戦の神であり、知性の擬人化と見なされていたのを受け、歴史は終わり頃に初めてその何たるかが分かるということを意味しており、統計データによる認識も同様な脈絡にあると考えられる。

 これまでのバナー画像に掲げたフクロウを新しい順に並べた。

 最新は、「アテナイのふくろう銀貨」を復活させた。紀元前510年から紀元前38年まで古代ギリシャで広く流通したアテナイのテトラドラクマ貨(下の画像)は表面にアテナの頭部が描かれ、裏面には、アテナイのポリスを象徴するフクロウとオリーブの小枝と三日月が描かれていた。フクロウがアテナイの象徴となったのはたくさん棲んでいたためとされる。アテネの守護神アテナは知恵や美術の女神であり、ふくろうが世界中で"知恵のシンボル"と言われる有力な起源となったと考えられている。


 歴史が進んでからその歴史の意味が明らかとなることを指す「ミネルヴァのフクロウは、日が暮れてから飛び立つ」というヘーゲルの言葉が有名であり(ミネルヴァは女神アテナのこと)、この図録がフクロウをシンボルにしているのもこのヘーゲルの言葉からである。統計数値は、その性格上、過去のデータであるが、歴史の意味を明らかにする点では通じるものがあるということでフクロウを採用したのである。

 少し前は、「ベルナール・ビュッフェが描いたいかにも賢そうなフクロウ」、そのまたひとつ前は「ベルナール・ビュッフェが描いた賢そうなフクロウ」という題でLINEの「お絵描きばりぐっど君」がAI描画した画像である。しばらくして鼻につくようになるのはAI描画だからだろうか。

 以下順番に、
  • 「アテナイのふくろう銀貨」
  • 台湾で購入したフクロウの置物
  • 陶器屋さんで見つけた小皿
  • ふくろう喫茶のアイドルの写真
  • ベルナール・ビュッフェの描いたふくろう(最初)
である。

(2022年9月17日収録、10月3日更新、2023年4月20日更新)  


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