世界価値観調査は、世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較している国際調査であり、1981年から、また1990年からは5年ごとの周回で行われている。各国毎に全国の18歳以上の男女1,000〜2,000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。なお、ここで取り上げている2010年期は2010〜2014年の調査であるが、英国、フランスなどこれまでの常連国が含まれていない。これは、世界価値観調査と同じ調査票で実施されている欧州価値観調査が直近の2008〜09年に実施済だからと考えられる。そこで、今回は、欧州価値観調査2008〜09年の結果から6カ国を繰り入れてデータを掲げることとした。 ここでは「人は信用できるか」という質問に対する回答を図録にした。一応「信用できる」という回答比率が高ければ、人がよいということとなろう。 勿論、実際上は人のよい人間であっても、この質問には、「用心する」と答える可能性もあるので、あくまで1つの目安に過ぎない点には留意しておく必要があろう。 「信用できる」という回答比率は、オランダが1位、2位、4位が北欧のフィンランドとスウェーデン、3位が中国、5〜6位がオセアニアのニュージーランド、オーストラリアとなっているのが目立っている。日本は第15位である。日本は10年前の2000年期には世界60カ国中、第8位だったので、やや人がよくなくなったといえよう。 「信用できる」という回答比率の低い国々には、アフリカ、南米、アジアの途上国が多いが、これらの国で人がよくないとは、必ずしも言えない。むしろ、他者に対して用心しなければならない社会環境であるからに過ぎない場合が多いと考えられる。 対象国は世界58カ国であり、「信用できる」という回答比率の高い順に、オランダ、フィンランド、中国、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリア、アイスランド、ドイツ、英国、エストニア、イエメン、カザフスタン、シンガポール、キルギス、日本、米国、ベルギー、ベラルーシ、台湾、イラク、イタリア、クウェート、ロシア、フランス、韓国、ウクライナ、ポーランド、パキスタン、エジプト、カタール、スロベニア、スペイン、アルジェリア、ルワンダ、パレスチナ、チュニジア、ナイジェリア、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、ウルグアイ、ヨルダン、チリ、メキシコ、モロッコ、トルコ、アルメニア、リビア、レバノン、マレーシア、ペルー、ジンバブエ、ルーマニア、キプロス、エクアドル、ガーナ、コロンビア、トリニダードトバゴ、フィリピンとなっている。 (2007年2月26日収録、2014年5月30日更新)
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