【クリックで図表選択】

   

 ピューリサーチセンターでは、25カ国3万人以上の人々に「自分の国を誇りに思う理由は何ですか?」という質問を自由回答形式で行い、それを政治システム、国民、芸術文化など27項目の項目表にそってコーディングし、項目別の言及率としてまとめた結果を公表している(調査時期は2025年春、米国は2025年8月)。

 例えば、母国の仲間たち、あるいは人にやさしいなどの自国の国民性に誇りを抱いているという自由回答は「国民」(People)への言及として整理される(項目ごとのキーワード例を巻末に項目表としてまとめているので参照されたい)。

 日本の特徴は「国民」への言及が41%と項目の中で最多であるばかりでなく、この比率自体世界一高い点にある。

 「国民」への言及率は日本が一番高く、トルコは20%と半分に過ぎない。しかし、項目順では日本もトルコも「国民」が最多である点では変わりがない。分析のしかたとしては、各項目でどんな国が言及率が高くなっているのかを見る方法と各国でどんな項目が多くなっているのかと見る方法とがある。

 表示選択では、デフォルトとして、国別に後者の項目ランキングの表を掲げ、以下にそれを分析した。さらに、表示選択として、前者の項目別の国別ランキングを3位までと全対象国の2通りで掲げた。

【国別の項目順位】

 自国の誇りについて各国の国民が何を多くあげてるかの順位の表を見てみよう。表示選択で見ることができる国別の言及率ランキングでは各国の目立った特徴がうかがえるが、ここでの順位別の分析では、文明圏別の特徴が浮かび上がっている。

 最も多くに挙げられている第1位項目としては「国民(People)」が25か国中11か国と目立って多くなっている。これは、勤勉、親切、誠実さ、愛国心といった自分たちの気質や国民性を誇りとする回答である。例えば、日本の回答なら、「日本人そのものが誇らしい」とか「日本人の思いやりの心、他者への共感の心を誇りに思います」といった回答が「国民」にカテゴライズされる(末尾キーワード例の表参照)。

 そう考えれば、国の属性というより、その国の人間そのものを自国の誇りとして挙げる回答者が多くなるのは当然のことのようである。実際、対象25か国中、ケニアを除くすべての国で「人びと」が5位以内にエントリーされている。

 異例なのは、むしろ「国民」以外を第1位項目として挙げている場合である。そうしたケースとしてもっとも特徴的なのは、「自由」や「政治システム」を第1位項目として挙げている米国、オランダ、ドイツ、スウェーデンといった欧米諸国である。英国、オーストラリア、カナダといったその他の欧米諸国も「国民」に次ぐ誇りとして「政治システム」を挙げており、合わせて共通の文化圏をなしていると捉えられよう。ここで「政治システム」として挙げられているのは具体的には民主主義、議会、連邦制といったものである。

 西欧・英語圏以外で「自由」や「政治システム」を3位以内に挙げているのは韓国位であり、南欧や東欧を除く欧米圏の際立った特徴と見て差し支えなかろう。南欧や東欧を除く欧米圏はまた「経済」を上位に挙げている国が多く、共通の特色をなしている。

 欧米圏の中でも南欧、東欧では「芸術文化」や「歴史」を第1位項目として挙げている場合が多く、逆に、西欧・英語圏では「芸術文化」や「歴史」は上位に登場しないので、この対比はかなり明確である。

 欧米圏は共通の文化圏ととらえられることが多いが、自由回答による自国の何に誇りを抱いているかという観点からは、驚いたことに、西欧・英語圏と南欧・東欧圏は、まるで異なる文化圏を形成しているのである。

  この他、自国の誇りとして目立った項目を挙げると以下の通りである。
芸術文化
 第1位項目としてラテン系のメキシコ、フランス、イタリアの3か国が挙げている。同じラテン系のスペインも第2位項目となっている。プロテスタント系の諸国では5位までにこれを挙げる国はないのと対照的である。日本も第3位項目としている。
歴史
 第1位項目としてギリシャやハンガリーが、第2位項目としてトルコ、ポーランドが挙げている(フランスも第3位)。
多文化
 多民族国家であるインドネシアとブラジルがそれを自らの誇りとしている(それぞれ第1位、第3位)。米国を除く英語圏諸国も「多文化」を2〜3位に挙げているが、こちらは移民に対する寛容性、あるいは移民との共存による国の活力を姿勢として誇りとしているという違いがあろう。
今のリーダー
 順位は低いが第5位に現行の政治指導者を挙げているのがメキシコとハンガリーである。それ以外に5位までにこの項目を挙げている国はなので目立っている。メキシコについは左派政党「モレナ」のクラウディア・シャインバウム現大統領とアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール前大統領、はんがりーについてはオルバン政権への信任が言及されている。
食べもの
 5位以内に「食べもの」を挙げているのは、スペイン、メキシコ、イタリアの3か国のみであり、「食」への誇り高さが際立っている。
平和と安全
 ケニア第1位と日本第2位のみ5位以下に登場。日本は憲法の「戦争放棄」を誇るなど。日本の場合、国際関係が4位であることとも関連。
宗教
 イスラエル以外で宗教を5位以内の誇りとしている国はない。イスラム教国のインドネシアやトルコでもそうだ。脱宗教の時代と言わざるをえねい。その中にあって宗教が2位項目となっているイスラエルは極めて特殊だということが分かる。イスラエルは自国の軍隊を3位項目として挙げている点でも特異である。
【項目別の国別ランキング】

 項目別の国別ランキングは3位までの総括図と全対象25か国のランキング図とが選択可能である。

 総括図を見ると、スウェーデンの「政治システム」への言及率が53%と最も高い点が目立っている。非常にうまく機能している民主主義、透明性の高い政府、法の支配などがその理由として挙げられている。

 自国の誇りとしての政治システムへの言及率の高さは、欧米プロテスタント国の特徴であるが(表示選択の国別の項目別ランキング表参照) 、スウェーデンの高さはドイツ、カナダ、英国と比較しても群を抜いている。

 英国は誇れるものがないというネガティブ回答が29%と非常に高い。従って、誇れるものは少ないが、あるとすれば政治システムという考えである。スウェーデンのように手放しで政治システムを誇っている国とはそこられへんが異なる。

 スウェーデンは、政治システムのほかに、地理や環境、サービス、自由、ヘルスケア、教育でも調査対象国のなかで最も言及率が高くなっており、いかに自国の自然・政治・経済・社会など全般的に誇りを抱いているかが分かる。

 この他、目立っている点としては以下が挙げられる。

 イタリアは芸術文化と食べもので最多国となっている。イタリアらしいと言えよう。

 歴史の最多国はギリシャ、2位国はフランスとなっている。古代ギリシャ、フランス革命などの事績に誇りを抱いていると考えられよう。

 インドネシアの多文化、ケニアの平和と安全、アイデンティティ一般、オランダの自由と経済、イスラエルの宗教なども目立っている。
自国の誇りに関する国別のコメント

 ピューリサーチセンターWEB報告書に掲載されている各国別のコメント、および代表的な自由回答例を以下に掲げた。国の並びは「国別の項目順位」の国順によった。

【西欧・英語圏】(プロテスタント系)
米国
 米国人は特に自国の「自由(freedoms and liberties)」(22%)を誇りに思っており、調査対象国の中でこれが当てはまる数少ない国の一つが米国です。興味深いことに、自国の自由に対する誇りに関して、党派間で大きな差が見られるのは米国だけです(共和党支持者の32%がこれを挙げたのに対し、民主党支持者は15%)。
 国家への誇りという話題になると、米国はネガティブな回答が一般的(20%)な数カ国の一つです。ここでも、これも党派的な違い(共和党支持者8%、民主党支持者32%)がありますが、他の調査対象国のほとんどでも同様です。?
 よく挙げられる他の要因としては、アメリカ人(13%)や経済(11%)などがあり、中には「アメリカン・ドリーム」への誇りや「多くの機会」があることを強調する人もいます。
オランダ
 オランダ人は、特に享受している自由(24%)、経済(21%)、そして政治制度(political system)(21%)を誇りに思っています。多くの人が、オランダは国土が小さいにもかかわらず、経済的にも政治的にも「うまく機能している」と指摘しています。また、「言論の自由度が高い」ことも高く評価しています。オランダは、自由と経済が国民の誇りの最大の源泉となっている数少ない国の一つです。
 オランダ人はまた、自国のインフラに誇りを持っていると答える割合が最も高い国民の1人であり、オランダの道路や水路の管理にみずから、しばしば驚嘆しています。
 「オランダは経済的に好調で、民主主義もうまく機能し、互いに自由に暮らしています。商売の精神も素晴らしいです。オランダ人が慈善事業に寄付をしてくれるのも素晴らしいことです。水に関しては、技術的にも構造的にも優れています。スポーツでも優れた才能を発揮しています。」−女性、70歳、オランダ
ドイツ
 ドイツ人は、民主主義と連邦制(36%)を誇りに思う理由として挙げる割合が最も高くなっています。実際、ドイツは政治体制が国民の誇りの最大の源泉となっている数少ない国の一つです。
 ドイツ人は他の多くの国と比較して、自国の経済(18%)を誇りに思っており、その強さと安定性を称賛しています。また、多くの人が「表現の自由」や「移動の自由」といった、自国で享受している自由(16%)を誇りに思っています。中には、社会制度などドイツが提供するサービス(15%)を特に誇りに思う理由として挙げる人もいました。
スウェーデン
 スウェーデン人は自国の政治制度(53%)を最も誇りに思っており、これは調査対象となったどの国よりも多く挙げられています。彼らは自国の民主主義が「非常にうまく機能している」こと、そして「透明性のある政府」と「法の支配」を誇りにしています。また、「よく整備された福祉制度」や「育児保険」など、政府が提供するサービス(25%)についても多くの回答者が挙げています。
 スウェーデン人はまた、自国の自由(24%)を誇りの源として挙げており、特に「非常に強い言論の自由」が挙げられます。また、医療(19%)と教育(15%)についても言及しており、これらは誰にとっても「無料」であると指摘する傾向が他の国よりも強いようです。
 スウェーデン人は、他の国と比較して、地理と環境を比較的重視していることでも際立っています(32%)。人々はスウェーデンの「美しい自然」に言及する一方で、自然への「公共のアクセス権」という法的権利にも注目し、「スウェーデンでは環境問題が積極的に議論され、真剣に受け止められている」ことを強調しています。
英国
 英国人は「親切」で「正直」な英国人を誇りに思っています(25%)。しかし、誇りに思えないことについても同じように頻繁に言及しています(29%)。否定的な回答の中には、「ブレグジットは悪い考えだった」といった具体的な問題に言及する人もいれば、「今のところ誇りに思えるようなことはあまりない」とだけ述べる人もいます。英国人ほど、誇りに思えないことについて頻繁に言及する国はほとんどありません。
 興味深いことに、与党労働党を支持する人は、支持しない人に比べて否定的な発言が少ないのですが、他方、誇りの源泉については支持者と非支持者の間に差は見られません。これには、政治制度(英国人の22%が言及)、多様性と多文化主義(16%)、そして医療(12%)、特に「国民保健サービス(NHS)」が含まれます。
 「少し疑問に思うかもしれませんが、全体的には民主主義国家で、宗教的寛容さも感じます。でも、以前ほど誇りに思えません。難しいですね。国が崩壊しつつあるように見えるので、誇りに思えないんです。」−女性、73歳、英国
 「王室。そして、森や山といった自然があること。それだけです。」−女性、18歳、イギリス
オーストラリア
 オーストラリア人は自国の人々を最も誇りに思っています。4分の1(25%)が、他のオーストラリア人との「仲間意識」や、自然災害などの困窮時に「手を差し伸べる」ことを強調しています。また、自国の政治体制と統治(21%)、そして多様性(19%)にも誇りを持っています。アボリジニや先住民の貢献と「豊かな文化史」、そして移民やあらゆる国籍・宗教の人々を歓迎する姿勢についても言及されています。
 オーストラリア人はまた、 「のんびりとした」態度を特徴とする自国のライフスタイル(13%)を誇りの源として挙げる傾向が最も高い国の一つでもある。
カナダ
 カナダ人が最も多く挙げているのは、自国の国民(28%)と多様性および多文化主義(27%)を誇りに思うという点です。彼らはしばしば、カナダの寛容で親切、そして歓迎的な性質を強調し、多文化の「モザイク」と表現しています。
 カナダ人は、調査対象となった他のどの国よりも、自国の国際的な地位を誇りの源として挙げる傾向が高く(19%)、特に「私たちはアメリカ人ではない」といった発言で、アメリカ合衆国からの独立性を強調しています。(この調査は、ドナルド・トランプ米大統領がカナダを「51番目の州」と呼ぶ発言を繰り返した2025年春に実施されました。)また、カナダは国際ミッションにおいて重要な役割を果たしていることも強調しています。ある男性は、「私たちは常に世界の声に耳を傾け、平和維持活動に努めてきました」と述べました。
 カナダ人はまた、自国の政治制度(22%)、自由(17%)、そして「無料の医療」(16%)に非常に誇りを持っています。
【アジア】
韓国
 韓国人は自国の国民を最も誇りに思っており(28%)、韓国人の「強い国民性」と「勤勉で誠実な労働力」を称賛しています。
 韓国の政治体制(15%)や経済(13%)を誇りに思う人もおり、韓国は「民主主義と経済発展を実現した国」だと述べています。また、Kポップや国語(ハングル)などを含む「Kカルチャー」としても知られる韓国の芸術文化(12%)を挙げる人もいます。しかし、15%は誇りに思えないことを挙げたり、何も誇りに思わないと答えたりしています。
 韓国は、サムスンや半導体など、人々が誇りに思う特定の製品や業界について言及する可能性が最も高い国の一つとして際立っています。
 「我が国が先進国の仲間入りを果たした民主主義国家であるという事実です。」−男性、28歳、韓国
 「小さな国ですが、サムスンの電子機器、鉄鋼、ヒュンダイの自動車、原子力発電所などを世界に輸出しています。」−男性、47歳、韓国
インド
 インド人は、自国の政治体制(8%)と経済(8%)、そして現在の指導者(6%)に誇りを持っており、ナレンドラ・モディ首相とインド人民党(BJP)を特に挙げる人もいます。また、多くの人がインドの「良好な経済発展」を誇りとして挙げています。さらに、インドが農業国であり「村の国」であることにも誇りを持っています。
 インド人はまた、インド国民(10%)、インドの芸術と文化(8%)、自らのインドの伝統(7%)、インドでの生活様式(6%)、そして多様性と多文化主義(5%)への誇りを強調しています。回答者は「異なるコミュニティの人々が調和して共存している」ことを指摘しており、多くの場合、異なる宗教、カースト、言語を持つ人々が共存していることなど、直接的に言及しています。
インドネシア
 インドネシア人は、自国の多様性と多文化主義(30%)を最も誇りに思っており、調査対象国の中で、インドネシアはこれらを最大の誇りとしている数少ない国の一つです。人々は、インドネシアを特徴づける多様な部族、現地語、人種、宗教を強調しています。これは、芸術の「豊かさ」と文化的多様性にも及び、インドネシア人の15%がこれを誇りに思っています。また、インドネシア国民(21%)は、調和のとれた生活様式など、インドネシア国民の誇りを共有しています。
 インドネシア人は、調査対象となった他のほとんどの国よりも高い割合で、自国の天然資源を誇りに思っています(14%)。彼らは、農業、香辛料、パーム油といった天然資源の豊富な「肥沃な土地」を強調しています。経済、特に近年の継続的な発展も、インドネシア人の共通の誇りとなっています(17%)。
イスラエル
 イスラエル人は、自国民(24%)と国家の宗教性(20%)を誇りに思っています。イスラエルでは、調査対象となった他のどの国よりも宗教が国民的誇りの源泉として挙げられており、「選ばれた民」という言葉や、イスラエルを「聖地」や「ユダヤ人の約束の地」と呼ぶ人が多くいます。
 イスラエル人は、自国の軍事力(13%)とイノベーション(9%)を誇りに思うと回答する割合も最も高い。彼らはイスラエル国防軍(IDF)、自国の「勇敢な戦士」、あるいは最近の紛争における具体的な軍事行動について頻繁に言及する。イスラエル人はまた、自国のハイテク産業と軍事技術の進歩、そしてイスラエル出身の科学者やノーベル賞受賞者を、国民的誇りの源泉として挙げている。
トルコ
 トルコ人は自国民(20%)を最も誇りに思っており、特に「親切」で「愛国心」が強い点を強調しています。中には、トルコ人が「戦士」であることを誇りに思う人もいます。
 トルコ人は自国の歴史(12%)を誇りに思っており、トルコ独立戦争やケマル・アタテュルクのような歴史上の指導者を挙げています。また、他の国よりも「軍事力」(8%)を誇りの源として挙げる傾向が高く、「防衛産業」を強調したり、ドローンに言及したりする傾向が見られます。
日本
 日本では、国民が日本人自身を最も誇りに思っている割合が最も高く(41%)、調査対象となったどの国よりも多くの回答者が日本人を誇りの源として挙げており、特に「真面目」「勤勉」「礼儀正しさ」「謙虚さ」「誠実さ」といった日本人の肯定的な資質が強調されています。また、日本人の器用さや創意工夫、そして「職人による伝統工芸文化」も高く評価されています。日本の芸術文化への誇りは比較的多く(15%)、日本の文化や芸術への誇りは比較的高い割合となっています。
 日本の成人は、他の多くの国の人々よりも、平和と安全(18%)を誇りの源として重視しています。彼らは、日本が「平和」であり、国内外で「戦争を放棄している」ことを誇りに思っています。
 「犯罪率が低く、治安も良好です。マナーも良く、インフラも整備されています。教育を通して生活規範が確立されています。思いやりやおもてなしの心も大切です。他国と比べて経済格差も小さいです。」−女性、71歳、日本
 「日本の古来からの伝統的な職人技やものづくりの技術は素晴らしいです。日本人の思いやりの心、他者への共感の心を誇りに思います。」−女性、55歳、日本
【南欧・中南米】(ラテン系)
スペイン
 スペイン人は自国の国民を最も誇りに思っています(32%)。国民間の結束力、そして人々の「勤勉さ」と「温かさ」を高く評価しています。また、自国のライフスタイルを誇りとして挙げる傾向(14%)があり、「スペイン流の生き方」を称賛する傾向は、他のほとんどの国の人々よりも高いようです。
 スペイン人は、誇りに思えないことについてもかなり頻繁に言及しており(25%)、政治家や国の統治に対する不満が強調されています。また、国の芸術や文化(16%)や「良好な気候」と地理(13%)への誇りもかなり一般的です。
アルゼンチン
 アルゼンチン人は特に自国の国民を誇りに思っています。彼らは国民の「結束力」と「支え合い、共感力」の強さを高く評価しています。国民への誇りは調査対象国の多くで一般的ですが、アルゼンチンではこの傾向を挙げる人の割合(35%)が際立っています。
 アルゼンチン人は、アルゼンチンで生まれたこと、あるいはアルゼンチンの血統を持つこと(15%)や、国の芸術・文化(14%)も重視しています。ある85歳の男性は、「ここで生まれ、愛しているから」という理由だけで誇りに感じていると述べています。他の国と比べて、誇りの理由について尋ねられた際に、否定的な意見を述べる人は比較的少ないようです。
ブラジル
 ブラジル人の4分の1(25%)は、自国の人々を誇りに思っており、彼らは誰でも歓迎し受け入れる人々であると述べ、ブラジルの社会環境が良好であることを強調しています。
 ブラジル人は、自国の風景や地理についてもかなり高い割合(17%)で言及し、「絵葉書にふさわしい場所」があると述べています。彼らは、アマゾン、サンタカタリーナ州、パンタナールの海岸を誇りとして挙げ、自然災害の少なさについても言及しています。
 誇りに思うことを尋ねられたとき、ほぼ 5 人に 1 人が否定的なことも述べています (17%)。また、政権政党を支持していない人の間では、この割合は政権政党を支持している人に比べて約 3 倍高くなっています (21% 対 8%)。
メキシコ
 メキシコ人は自国の芸術と文化に誇りを持っており(30%)、調査対象となった他の多くの国よりも「習慣と伝統」を重視しています。また、メキシコ人は食と料理への誇りを挙げる割合が最も高い国の一つです(15%)。
 メキシコ人は特にメキシコ国民を誇りに思っています(28%)。また、メキシコで生まれたことを誇りに思っている人も多く(22%)、メキシコの「ルーツ」と伝統を語ります。
 メキシコ人は、現職の指導者を誇りとして挙げる割合も最も高く(11%)、多くの人が左派政党「モレナ」の現大統領クラウディア・シャインバウム氏と前大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏を挙げています。
フランス
 フランス人の成人の約4分の1(26%)は、自国の芸術と文化に誇りを持っていると回答しています。ある男性はこれを「大文字のCで始まるカルチャー」と呼んでいます。また、「ノートルダム大聖堂を再建した職人」のような芸術家の技術を称賛しています。フランスは、食への誇りを表明する割合が最も高い国の一つ(15%)として際立っており、「フランス料理」や「良質なワインとチーズを楽しむ」能力を挙げています。
 国民(24%)、歴史(22%)、そしてフランス国民が利用できるサービス(21%)も、国民の誇りの重要な源泉となっています。また、「海、山、田園地帯」といった自然の美しさ(19%)も国民の誇りの源となっています。
 国のモットーである「自由、平等、博愛」も、フランス人が誇りとするものです。約2割(22%)のフランス人が、フランス人が享受する表現の自由や「不満を言う権利」など、自国の自由を誇りに思っています。
イタリア
 イタリア人は特に芸術と文化に誇りを持っています(38%)。彼らは「美しい建築物」に加え、ルネサンスの遺産や「芸術的遺産」についても言及しています。また、歴史にも誇りを持っており(18%)、イタリアを「古代の国」と呼び、レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオといった人物への敬意を表しています。
 イタリア人はまた、自国の食べ物に誇りを持っていると答える割合が最も高く(18%)、「トルテリーニ、パルミジャーノ・レッジャーノ、キャンティワイン、そして謙虚な人々」を挙げた。
 多くのイタリア人は、自国の地理に誇り(24%)を抱き、「壮大なアルプスから美しい海まで」イタリアの多様な景観を称賛しています。また、同程度の人(23%)が、イタリア人であることを誇りに思っています。
ギリシャ
 ギリシャ人は自国の歴史を最も誇りに思っており(37%)、しばしば「古代文明」や、ギリシャ独立戦争や第二次世界大戦といった「祖先の戦争」を自慢しています。実際、ギリシャは歴史を誇りの源として挙げる割合が最も高い国として際立っています。
 ギリシャ人も自国民を誇りに思っており(31%)、国民を「親切で温かい」と表現しています。また、多くの人が、悲劇的な列車事故に対する政府の対応に対する抗議活動に参加した人々を誇りに思っています(調査期間中、事故発生から2周年を記念する抗議活動が行われていました)。
 ギリシャ人は、地理と自然環境(15%)を誇りの源として挙げる割合もかなり高い。多くの人が国の美しさや地理的な位置を挙げる一方で、「太陽と海」を単に誇りに思う人もいる。しかし、19%は全く誇りを持っていない、あるいは自国について何らかの批判的な意見を述べる人もいた。
【東欧】
ハンガリー
 ハンガリー人は、自国の歴史(21%)と国民(20%)を誇りに思っています。しかし、ハンガリーを誇りに思っていないと答える割合も同程度(23%)あり、何を誇りに思っているのかと聞かれると、その理由を述べます。ハンガリーは、最も人気の誇りの源と同じくらい、否定的な回答が多い数少ない国の一つとして際立っています。
 ハンガリー人は、調査対象国の中で、現在の指導者を誇りの源泉として強調する傾向が最も高い国の一つです(13%)。人々は、ビクトル・オルバーン首相の経済政策を挙げ、「若者と年金受給者を同様に支援している」と述べ、EU内での強権的な姿勢や移民政策に言及する人もいました。
 注目すべきは、現政権への誇りは、オルバン連立政権に所属する政党を支持する層に集中していることです(33%対3%)。また、否定的な回答は、支持者よりも非支持者の方がはるかに多くなっています(30%対8%)。
 ハンガリー人にとって、国のイノベーションの歴史もまた誇りの源泉であり(11%)、これは他の多くの国よりもはるかに高い割合です。多くの回答者は、ハンガリーの国土の広さを考慮すると「多くのノーベル賞受賞者」や「世界的に有名な科学者」、そしてルービックキューブなどの発明を挙げています。
ポーランド
 ポーランド人は、ポーランド人であること、ポーランドで生まれたこと、あるいはポーランド人の祖先を持つこと(21%)といった、自らの伝統に誇りを持っています。また、多くの人が国の歴史(20%)を挙げており、ポーランドは歴史が最大の誇りとなっている数少ない国の一つとなっています。中には「独立のための戦い」と民主主義を特に誇りに思うと述べるポーランド人もおり、「共産主義からの脱却」に言及する人もいます。
 ポーランド人は自国の国民を誇りに思っており(18%)、彼らの愛国心、勤勉さ、そして勤勉さを称賛しています。また、10人に1人は国際情勢におけるポーランドの役割を誇りに思っており(10%)、ウクライナへの支援やEUおよびNATOへの加盟を強調しています。
【アフリカ】
ナイジェリア
 ナイジェリア人は自国の天然資源に非常に誇りを持っており(21%)、これは調査対象となった他のどの国よりも高い割合です。ほとんどの人がナイジェリアの「原油」、ガス、鉱物資源に注目し、農業に適した「肥沃な土壌」も称賛しています。
 ナイジェリア人は、誇りに思えないことについて言及する割合が最も高い国の一つです(25%)。こうした否定的な回答の多くは、「悪い指導者」や「悪い経済」に焦点を当てています。与党である全進歩会議(APC)を支持するナイジェリア人は、非支持者に比べて経済を誇りに思う割合が約2倍高く(14%対7%)、APCを支持しない人は、否定的なことについて言及する割合が約2倍高く(29%対13%)、それぞれ高くなっています。
 「ナイジェリアは豊かな国で、豊富な資源に恵まれています。問題は、その資源を不適切に管理している指導者たちです。」−男性、31歳、ナイジェリア
 「ここは私の国、父の土地です。私たちの農作業は簡単です。雨期もきちんと来ますし、どんな作物でも栽培できます。」−男性、19歳、ナイジェリア
ケニア
 平和と安全は、ケニア人が自国を最も誇りに思う理由の一つです(26%)。ケニア人は、特に他国と比べて紛争が少ないと述べており、「平和と愛」や「ケニアの平和さ」を誇りに思う理由として頻繁に挙げています。ケニアは、平和と安全が誇りの源として上位にランクされている2カ国のうちの1つとして際立っています。
 ケニア人は、ケニアで生まれたこと、あるいはケニア人であることに比較的誇りを持っている(24%)。また、ケニアの自由(15%)や経済(14%)を誇りの源として挙げる人もおり、否定的な点を挙げる人はほとんどいない。
南アフリカ
 南アフリカ人は、住宅、社会保障、警察、年金といった自国の公共サービス(24%)に誇りを持っており、他のほとんどの国の人々よりも頻繁にこれらのサービスについて言及しています。また、多くの人が「優れた」教育(13%)にも誇りを持っており、「子どもたちが無料で学校に通っている」ことを称賛しています。国の自由(11%)も、また経済(14%)も、特に政府が「雇用を生み出している」という事実に誇りを持っている理由の一つです。
 それでも、南アフリカ人は誇りを持っていないと答える人がかなり多い(19%)。南アフリカを誇りに思っていない人は、経済的な困難、特に政府の支援があっても「雇用不足」に悩まされていることを口にすることが多い。

27項目のキーワード例
分類項目(英文) 分類項目 キーワードの例
Political system 政治システム・政治制度 民主主義、政府システム、君主制、地方自治体、政治的安定、政府機関、法律、投票、政府への信頼、選挙、議会、憲法、現在の(またはごく最近の)出来事への対応
Freedom 自由 言論の自由、宗教の自由、表現の自由、思想の自由など、世俗主義、抗議の権利
Current leadership 今のリーダー 首相/大統領(名前の有無にかかわらず)、現在の政治家、代表者、政治家は優秀/有能、政党(または過去の政党の廃止)
Equality 平等 人権、すべての人の平等、平等、男女平等、人間の尊厳
Services サービス 年金、福祉、サービスへのアクセス、高齢者介護、補助金(政府から)、社会保障、社会制度、セーフティネット、警察、労働者の権利、図書館
Health care へスルケア 医療、NHS、病院、医療へのアクセス、医薬品、健康政策
Infrastructure インフラ インフラ、道路、公共交通機関、清潔さ、空港、電力網、原子力、近隣公園、水道へのアクセス
Peace and safety 平和と安全 安全、安心、暴力なし、身体的安全、平和に暮らす、平和、内戦なし
Education 教育 教育、学校教育、大学、学習
Diversity and multiculturalism 多文化 多文化、宗教的多様性、民族的多様性、部族、カースト、先住民、文化的多様性、異なる人生の歩み、包括性、寛容、歓迎、受容、移民の価値観、難民
People 国民 人々、仲間意識、強さ、精神、国民精神、共通の価値観、善良な人々、一般的に人々を表すあらゆる属性(勤勉、親切、回復力など)、私の世代、連帯、団結、調和、ディアスポラ
Arts and culture 芸術文化 芸術、芸術家(過去または現在)、音楽、ミュージシャン、文学、テレビ、映画、メディア、人々の芸術的能力/ノウハウ、建築、工芸、文化、言語、伝統、記念碑、著名人、名前のついた王族、旗、国歌、国獣、国のシンボル、観光、観光業、おもてなし、国民の祝日
History 歴史 歴史上の人物や出来事、過去の指導者、過去の紛争における役割、過去の時代(例:ルネッサンス)、長寿、過去の時代を通じた持続(例:侵略)
Food 食べもの 食品、美食、料理
Sports スポーツ スポーツ、アスリート(過去または現在)、オリンピックのメダル、ナショナルスポーツチーム
Religion 宗教 宗教国家であること、宗教的建造物や記念碑、宗教指導者、宗教的価値観、「選ばれた民」
Economy 経済 経済、経済的機会、(良い)仕事、自由市場、自由貿易、裕福、安定した経済、生活水準、物資の余裕、必要なものは手に入る、「未来を築くことができる」、発展、株式市場、経済大国、他国よりも経済が良い、物事は良くなっている、進歩、上昇志向、産業
Innovation イノベーション イノベーション、発明、科学の進歩、ノーベル賞、技術の進歩と専門知識
Natural resources 天然資源 鉱業、石油、ガス、肥沃な土壌、石炭、農業、天然資源
Products and companies 製造業 製造品、輸出品(指定製品および企業を含む)、(国)製
Lifestyle 生活スタイル ライフスタイル、生き方、雰囲気、日々の生活、すべてが順調、物事は楽、物事は順調、現状、現在の状況、私は幸せ、私は快適、生活の質
Geography and the environment 地理や環境 自然、自然美、環境、風景、気候、天気、海岸、ビーチ、山、野生生物、動植物、地理的位置、土地の保護
Cities and localities 都市や郷土 (都市名)、(町名)、特定の場所、(州名)
International standing and affairs 国際関係 戦争なし、国家安全保障、外交、強力な同盟、EU、国際援助、他国への援助、他国との関係、侵略者への抵抗、協力、主権、同盟、旅行能力、他国より優れている、「米国ではない」、他国と比較した力、世界超大国、強力な国、強い国
Military 軍隊 軍隊、部隊、戦車、戦闘機
General identity アイデンティティ一般 国籍を挙げ、生まれ、育ち、居住について誇りに思っている(例:「メキシコ人であることを誇りに思います」、「私はケニア人です」)、個人の遺産、市民権、祖国、「ルーツ」、家族の絆、「私は自分の国を信じています」
Negative ネガティブ 私は誇りを持っていない、もう誇りを持っていない、恥、愛国心や国家主義を信じていない、「かつては誇りを持っていたが、今はそうではない」、何も、今のところはあまりない


(2026年3月5日収録)


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