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緯度別では、まず、北半球の中緯度帯に世界の人口の多くの部分が集まっている点がはっきりしている。北半球の中でも西欧や北欧と北に行くと、また南へと熱帯に近づくと人口の集積は小さくなる。 南半球は人が住める大陸自体が少なく、人口もそれだけ少なくなっている。南半球で人口が集中している緯度帯は人口2億7千万人のインドネシアの位置に当たっている。 北半球の中緯度帯の中で最も人口が多いのは台湾、香港など中国南部からバングラデシュ、インドの中央部にかけてのモンスーン地域に当たっている。 それより南に行くといったんサハラ砂漠などで人口が減り、もう一度、ナイジェリア、西アフリカ、エチオピアあたりで人口が増え、その後、熱帯直下では人口は減る。 それより北では、日本の東京から北九州にかけての太平洋ベルト地帯に当たる緯度におけるピークなどいくつかのピークを経ながらだんだんと人口の集積は小さくなっていく。 東西方向の経度別には、東から、中国・東南アジアとインドなど南アジアの最大の2つのピークが、まず、目立っている。それよりさらに東の日本の東京の位置に小さなピークがある。 次に、ヨーロッパ、アフリカの位置にアジアの2つの巨大ピークより低位の水準でやはり2つのピークが認められる。1つ目はエチオピア・中東とヴィクトリア湖周辺・エジプト・トルコのツインピークである。 案外知られていないが、ヴィクトリア湖周辺に大きな人口集積地が存在している。 「湖周辺は年間降水量が1200mmを超え、農耕に適している。そのため、ヴィクトリア湖岸地域は東アフリカ有数の人口密集地となっており、人口密度は2010年には1km2あたり200人を突破し、なおも増え続けている。5カ国にまたがる集水域の人口は2500万人にのぼる。湖岸には、最大都市である北岸のウガンダ首都カンパラを始め、北岸ウガンダのエンテベやジンジャ、東岸ケニアのキスム、南岸タンザニアのムワンザやブコバなどの大都市が点在している」(ウェキペディア2025.1.10)。 ヨーロッパ、アフリカの位置の2つ目のピークは西アフリカやヨーロッパ中央部に当たっている。 南北アメリカ大陸にはブラジル、米国東海岸、メキシコ、米国西海岸のピークが連なっているが、それぞれ、それほど高いピークではない。 以上をまとめると、南北の緯度別でも東西の経度別でも中国とインドの人口集積地の位置で大きなピークをなしている。経度別ピークではヨーロッパというよりアフリカの人口集積地の影響が大きくなっている。 (2025年81月18日収録)
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