米国人の身長は、人種・民族によって大きく異なる。2015-18年の調査結果によると、20歳以上の男性について、米国人平均が175.3pであるのに対して、非ヒスパニック白人が176.7p、非ヒスパニック黒人が176.0p、非ヒスパニック・アジア人が170.5p、ヒスパニックが170.4p(うちメキシコ系が170.4p)となっている。非ヒスパニックの白人、黒人の背が176p台と高く、アジア人やヒスパニックの背がそれより6pばかり低いのである。 そこで、人種・民族別の推移も同時に掲げた。米国人の平均身長が低くなっているといっても全体に低くなっているのか、アジア人やヒスパニックの人口割合が大きくなっているせいなのかが分からないからである。 結果を見ると、非ヒスパニックの白人や黒人の身長も米国人平均と同じぐらい低くなっており(下表も参照)、アジア人やヒスパニックの割合が増加しているからだけでなく、全般的に背が低くなっているからだということが分かる。
こうした米国人の平均身長の停滞が、国内の貧富の差の拡大、薬物中毒など米国社会の困難さの拡大によるものなのか(図録1600)、それとも先進国一般の成熟化のあらわれなのかは、なかなか、判定が難しい。しかし、西欧諸国ではなお背が伸び続け、米国人を追い抜いていることを考え合わせると、前者である可能性が高かろう(図録2196d参照)。 (2023年12月10日収録)
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