グローバリゼーションの1側面として西欧文化の世界浸透があげられるが、その代表としてアメリカ映画の全世界制覇が目立っている。映画産業では米国作品が全世界観客の85%に受け入れられているといわれる(UNDP, Human Development Report 2004)。

 ここでは、1984年から2001年にかけてのアメリカ映画の躍進と国産映画の縮小を観客数比率で示した。対象国は日本の他、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、英国である。

 ほとんどの国でアメリカ映画の比率が上昇しており、2001年にフランス以外の国では50%を超えている。ドイツ、英国では7割を上回っている。

 これに伴い、国産映画の比率は低下している。ただし、フランスとドイツで低下幅が小さいのは、国産映画に対する支援政策が取られているからだとされる(UNDP(2004))。

 日本映画(邦画)については、なお39%のシェアを維持しており、フランスに次いで国産映画の比率が高くなっているが、1984年には49%とフランスを上回っていたことを考慮すると縮小幅は大きく、国産映画は、欧州諸国と同様に厳しい状況に置かれているといえる。

(2004年8月1日収録)


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