アジア・太平洋地域の10代後半女性の出生率は、国・地域によって大きな差があるのが特徴である。

 もっとも高いのはラオスの81.7人(15〜19歳女性1000人当たり、以下同様)であり、バングラデシュの73.2人、ネパールの67.2人が続いている。

 一方、もっとも低いのはマカオ、北朝鮮、韓国の0.5人であり、香港の1.1人、日本の1.7人がこれに次いでいる。

 OECD諸国の平均は9.3人であり、アジア・太平洋地域の中でOECDに加盟しているニュージーランド、オーストラリア、日本、韓国は、ニュージーランドを除くと、OECD平均よりも低くなっている。

 こうしたアジア・太平洋地域における10代後半女性の出生率の大きな差は、経済発展の段階に大きな差があるからである。

 経済発展にともなって、出生率は大きく低下すると同時に、年齢別出生率で低年齢の出生率ほど大きく低下する傾向にある。従って、経済発展の段階差は、特に10代女性の出生率の大きな差となってあらわれるのである。

 下図に1925年以降の日本の10代後半女性の出生率の推移を示した。


 1925年当時には日本の値は41.5人と非常に高く、現代のパキスタンと同じ程度だった。それ以降、戦前、戦後を通じ、大きく低下し、現在の2人以下の非常に低い水準に至っているのである。

(2025年2月2日収録)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 地域(海外)
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)