グラフは、ヨコ軸に1978年データ、タテ軸に1996年データを示した散布図であらわしている。右上に位置するほど両年とも県民意識が高く、左下に位置するほど両年とも県民意識が相対的に薄いと考えることができる。また、45度線より下なら1978年から1996年にかけて県民意識が弱まったことを示し、逆に、45度線より上なら同期間に県民意識が強まったことを示している。 両年とも県民意識をもつ人の割合が8割台と県民意識が強い県としては、沖縄、秋田、宮崎が目立っている。 反対に、両年とも県民意識が弱い県としては、埼玉、千葉、兵庫、奈良といった大都市圏の郊外地域や愛知が目立っている。例えば埼玉の場合、東京人という意識をもった埼玉県民が多いためとも考えられる。愛知の場合は愛知県人というより名古屋人という意識の方がつよいせいかも知れない。 1996年(タテ軸)の値を見ると、県民意識をもつ人の割合が70%台の県が29県と6割を占め多いことが分かる。 1978年から1996年にかけては、多くの県(47都道府県のうちの38)で45度線より下に位置しており、全国的には県民意識が弱まる傾向にあることがうかがわれる。 県民意識のレベルそのものはそれほど高くないが、同期間に、県民意識が高まっている地域としては、東京が目立っている。1978年には47.9%と最下位であった県民(都民)意識をもつ人の割合が1996年には72.9%と22位へ上昇しているのである。経済の高度成長期に多くの者が東京に転入しており(図録7675)、1978年にはまだ出身地域の方にアイデンティティがある人が多かったが、それから約20年経過した1996年には、住み着いた地域に対する定住意識が高まり、また都民のうち新たに東京で生まれ育った者も増えたため県民(都民)意識も強まったと考えられる。東京に似た特徴をもつ地域として、神奈川、大阪、京都などがあげられる。 *参考資料 ・NHK放送文化研究所(1997)「現代の県民気質―全国県民意識調査 」日本放送出版協会 (2012年3月30日収録)
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