使ったデータは家計調査の県庁所在市別の年間支出額である。家計調査で品目別に集計されている12の果物の年間支出金額についての県庁所在市ランキングを調べ、各市で最も高いランキングになっている品目を選び出し、それぞれの県庁所在市で県が代表されると仮定して、その果物を好んでいる地域として色分けした。 青森、長野のりんご、鳥取の梨、山梨、岡山のぶどう、福島の桃、茨城、北海道のメロン、和歌山のみかんなど国内の主な産地で購入額が大きい場合が多い。 しかし、生産額首位の地域が必ずしもその果物に区分されれていないケースもある。例えば、いちごの栃木がオレンジ、すいかの熊本がメロンに区分されている。 いちごに区分されている群馬、千葉、静岡などは必ずしもそれほどいちごの生産額が大きいわけではない(静岡の石垣イチゴは有名ブランドだが)。栃木の他、福岡、熊本、長崎がいちごの主産地だが、消費額ではこれらの地域はいちごに区分されていない。愛知、佐賀のすいかも生産額はそう多くない。こうした点は、やはり好みと産地とは必ずしも一致しないということであろう。 柿の生産額首位は和歌山、2位は奈良であるが、和歌山はもう1つの首位作物みかんに区分されていて柿に区分されない。また柿の消費額首位の岐阜は生産額では4位であるし、消費額2位の北海道は生産がない(以上生産額については2019年の生産農業所得統計の県別産出額による)。 また、輸入果物では産地の存在というより、地域の好みそのものや輸入拠点が近くがが関係していると考えられる。バナナを好きなのが京都、広島、兵庫、東四国であり、オレンジを好きなのが富山、石川など北陸なのは地域の好みだろう。キウイフルーツが好きなのが神奈川、埼玉なのは好みもあろうが、輸入港の横浜港から近いという点も関係していよう。 (2022年7月24日収録)
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